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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十六話 マリーンドルフ伯爵令嬢は遠征に反対のようです。
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事を頼みたいの。今ラインハルトと私たちが帝都を離れてしまってはそばにいられるのはアレーナ、そしてあなたくらいだわ。だからアンネローゼの身辺をくれぐれも見守っていてほしいの。」
「わかったわ。アンネローゼのことは私が責任をもって守り抜くと誓いましょう。」
いつになく真剣な様子でウェストパーレ男爵夫人はそう言った。
「それを聞いて安心したわ。」
「でも、わかっているでしょうね?あなたも――。」
「無論の事よ。ここまで来てしまった以上、私も応えなくてはならない。」
イルーナは顔を上げ、男爵夫人を正面から見据えた。
「私もラインハルトを守り抜く。私の命を懸けてラインハルトを守り抜くとあなたに誓うわ。」
何故守り抜くの?仮にウェストパーレ男爵夫人からこう聞かれたとしたら――。

彼女はこう言葉をつづけただろう。

彼こそが希望だから。この帝国同盟双方にわたる長年の血で血を洗う争いに終止符を打ってくれるただ一人の人間だから。ラインハルトは戦いから背を向けない。常に前を向いて挑む。正面から、堂々と、いかなる障害も乗り越えていく。彼の歩む道にいくら屍を築こうと、その思いをくみ取り、その痛みを足に刻み付け、全てを受け止め、全ての思いを背負って前へ進む。直向に前を見つめ、彼の理想とするゴールを目指して。
それをイルーナはよく知っている。だからこそ瞳を背けることなくこの人にさえも言えるのだ――。


「私の命を懸けて、きっとラインハルトを守り抜くと誓うわ。」
と。

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