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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二十三話 イゼルローン要塞攻略作戦
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ずだ、あのミサイル艇による攻撃案を考えたのは奴だからな。赤っ恥をかかされたと思っただろう。

グリーンヒル参謀長は俺とワイドボーンの言い合いを見て苦笑いを浮かべていた。
「ミサイル艇による攻撃は上手く行くだろうと私は見ている、ワイドボーン大佐もだ」
「……」

上手く行く可能性は高いだろう。俺もそう思う。しかしこんな所で話して良いのか? まあ周囲には幸い人は居ないが……。

「問題はその後だ、陸戦隊を要塞に送り込み占領する。上手く行くとは思えない、貴官の意見はそうだね」
「そうです、先ず失敗するでしょう」
グリーンヒル参謀長が頷いた。表情は渋い。

「私もそう思っている」
良いのかね、参謀長がそんなことを言って。
「出来れば避けたいと思っている。しかし上手く行く可能性が無いわけじゃない、やってみるべきだと言うんだ」

ロボスがそう言っている訳か。
「万一上手く行かなくとも要塞内に陸戦隊を送り込んだという事実は残る……」

冗談言ってるのか? グリーンヒル参謀長の顔を見たが至って真面目だ。ワイドボーンの顔にも笑いは無い。つまり本気か……。要塞内に陸戦隊を送り込んだ、それが実績か、今一歩で要塞を占領できるところまで敵を追い込んだ。そう言いたいのか……。失敗前提の作戦? 何考えてるんだ? 俺にはさっぱり分からん。

「イゼルローン要塞を落とせるかね?」
「?」
グリーンヒル参謀長が俺に問いかけて来た。落とせるも何も今難しいと話している最中だろう。

「前に頼んだよな、イゼルローン要塞を落とす方法を考えてくれと」
「……」
今度はワイドボーンが俺に話しかけてきた。そういえばそんな事も話したような気がするな。あれ本気だったのか……。

「もうあれから一ヶ月以上経った。何か考えてくれただろう? 仕事も無かったんだ」
「……」
グリーンヒル参謀長とワイドボーンが俺を見ている。困ったな、どうする? 有りませんと答えるか? でも信じるかどうかだな……。

正直に知ってる事を話すか? 面倒なことになりそうな気がする。いっそ思いっきり駄法螺を吹いて煙に巻くか、その方が良さそうな気がするな。それで行くか。

「駐留艦隊を撃破しイゼルローン要塞を攻略するのにどの程度の戦力を必要とします?」
俺の問いかけにグリーンヒル参謀長とワイドボーンが顔を見合わせた。ややあってワイドボーンが答えた。

「大体三個艦隊、そんなところだろう。今回も三個艦隊動員している」
グリーンヒルが隣で頷いている。同感だ、原作でロイエンタールがイゼルローン要塞を攻めたときも三個艦隊だった。おかしな答えではない。

「残念ですが三個艦隊ではイゼルローン要塞は落ちませんね」
「……」
「理由は一つ、敵の増援を考えていない」
俺の答え
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