暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
悪意こそ救いを求める
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天上都市《イグドラシル・シティ》の一角。

割合こじんまりとした安価物件の家々が立ち並ぶ中の一軒。難しい漢字を書いた看板がブラ下がっている、見た事もないその家のポストに『見覚えのない手紙』を投函した闇妖精(インプ)の少女は、首を捻る。

―――あン?何だってこんなモンをこのクソ忙しい時に……?

自分のしたことに自分で訝しむインプの少女だったが、やがてその出口のない思考を打ち切る。なんか耳元で()()()()()()()()がうるさく鳴っていて、とてもではないが思案を深めていられなかったのだ。

それに、急いでいるのに変わりはない。

インプの少女――――否、十存在(バルシア)の一人、《非在存在(プロパガンダ)》は焦っていた。

超越存在(ヴォルティス)にトドメを刺され、リメインライトとしての待機時間さえも惜しんだ少女は、強制ログアウトを強行した。これで向こう――――ロベリアの身体は、待機時間を経てアバターのみがフリーリアのセーブポイントに送られたことになるが、そっちの方はもう考えない。

―――ヤツらはオレ様に確認をしに来た。つまり連中も、オレ様の全アカウントをきちんと把握している確信はない!!

こうなってくると、確認のためか、リストを自分に突き付けてきたのは明らかな悪手だ。あれで少女は、いまだ発見されていないインプのアカウントでダイブできたのだ。

現実と時間がズレているALO。あれだけ深かった夜の闇もそろそろお開きの気配を醸し出す中、街道の人込みの中を競歩のように歩く少女は思う。

―――とにかく、ほぼ総バレした以上、イグシティに隠してある本アカの財産をこのアカウント名義で借りた別倉庫に移し替えなきゃいけねぇぞオイ……!

もともと、少女が非在存在たりえたのは、ひとえに本命のアカウントである鍛冶妖精(レプラコーン)の恩恵ゆえだろう。高補正のレプラコーンの鍛冶スキルの下、古代武具(エンシェント)級の武器防具を量産できなければ、とてもではないが現在の体勢は構築できなかった。

もっとも、その手段だとて数々のバグや裏技を駆使しなければならなかったので、あまり胸を張れた戦果ではないが。

―――クソッ!クソクソクソッッ!!!どうする!?最優先……いや、一番近いのはどこの《ロッカー》だ!?思い出せ!ックソ!!

焦燥にかられた者特有の、追い詰められた者特有の、気持ちだけ急いて現状把握が上手くいかない状態になりながら、それでも少女は足を止めない。

あてなどない。

ただ、ジッとしていれば《追いつかれる》気分になったからだ。

底知れない不安が顔を覗かせる。

底の見えない堕落が口を開く。

それらが今にも襟元を掴み、頭からバリボリと喰い潰
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