暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
悪意こそ救いを求める
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っぱり彼女は笑っていた。

その笑顔につられ、自分も笑うようになったのは、いつからだっけ。










「フィー……」

「リアちゃ〜ん。おはよーですぅ?あ、でもALO(こっち)じゃあそろそろ朝だけどぉ、現実(あっち)じゃ夜だからこんばんわぁ?」

ふわふわした笑顔を浮かべる相棒に、数瞬呆けていた少女はさっと顔色を変えて辺りを見回した。

あの《戦神》が自分を追っているということは、『ロベリア』が所属していたケットシーにも事情を話しているかもしれない。

素早く首を巡らせるインプの少女に対し、しかしネモフィラはきょとんと首を傾げるだけだ。

そんな彼女の様子を見、少女はゆっくりと肩の力を抜く。

―――そうよね。フィーがそんな腹芸できる訳ないわよね。

はぁ、と重い呼気を吐き出す少女は、だが次の瞬間。

「…………あれ?」

―――『リアちゃん』?

ちょっと待て。先ほどから、眼前の女性は何を言っている?

「ねぇ、フィー……」

「はい〜?」

「あんた、何で、オレがロベリアだって……気付いたんだ?」

ケットシーのフェンリル隊の新人『ロベリア』は、スプリガン領直近の森の中で超越存在(アスタリスタ)に殺された。今頃は正式なログアウト処理が施されていることだろう。

そして、今。

少女は、インプ族としてログインしている。彼女をロベリアと断じられるのは、戦神サイドしかありえない。

ぞわり、と。足元から得体の知れないナニカが這いずり寄ってくる。

―――まさか、フィーが、ネモフィラが……?

ぎちりと身体を強張らせる少女に、しかしふわふわ系ド天然のケットシーは(彼女にしては珍しく)本気で眉をひそめながら、首の角度を傾いだ。

「えぇ〜?リアちゃんはリアちゃんですよぉ〜。違うんですかぁ〜?」

「…………………はぁ〜、そーだなそーよねそーだったよね。テメェはいつでもそんな調子だったよな」

「??」

いつだって独特のペースを纏っている不思議ちゃんに、ケットシーだった頃とは違い、黒になった髪をぐしゃっと掻き回した。

結論、こんなUMAに陰謀論を持ち込む方がどうかしている。

そーいえばきいてくださいよさがしていたおんなのこがきがついたらどっかいっててー、と何やらあっちはあっちで色んなことがあったのか、おっとりとしながらまくし立てるという器用なことをするネモフィラの鼻先に人差し指を突き付ける。

「じゃーとっととお仲間のトコに尻尾振りに行きなさいよ!タスケテーっつって、お涙頂戴の負け台詞吐きに行きなさいよ!」

口をついて出るのは、暴言。

常ならない刺々しい口調に面食らう相棒の顔を見て、少女は自分がいかに惨めで愚
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