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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第84話:懐に飛び込まれた方が防御はしにくいものだ
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ルフ君に押し付けちゃったし、断れないよなぁ……
「わ、解りました……で、でもリュリュ様の特別随行員は来るんですか?」

「来ないと思うけど……お前、昨日結構な嫌味を言ってやったんだろ? だとしたら来ちゃっても大丈夫だよ(笑)」
大丈夫じゃねーよ! 胃がボロボロになっちゃうよ……

まぁ兎も角、ウルフ君の掌で踊る事無く、今日は遣り過ごせたのだから良しとしよう。

レクルトSIDE END



(グランバニア城・軍務大臣執務室)
ピピンSIDE

今日もレクルトを借りると言う事でウルフ閣下が自ら俺の下に報告に来た。
突然の出来事に立ち上がりソファーへと(いさな)うと、特に何かある訳でも無い雰囲気のままウルフ閣下は腰を下ろす。

「悪いね連日借り出しちゃって……本来なら本人から報告させるのが義務なんだけど、直ぐに今日のガイドへと行かせちゃったから、俺が報告に来たよ」
「いえいえ……軍部はそれ程忙しい部署でも無いので、どんどん使ってやって下さい」

そう、忙しい部署では無いのだが、暇な部署でもありはしない。
何故なら人員が削減されてて、少ない人数で広範囲をカバーしなければならない状況である為、暇な時などは存在しない。

だが今後の事も考えれば、軍縮反対のウルフ宰相に恩を売り、往来の人員増強への足がかりになればと快く協力する姿勢を常に見せている。
特にウルフ閣下とレクルトは親しいので、それを最大限に利用している訳だ。

「それとさぁ……昨日地下牢に行って気付いた事なんだけど」
「昨日地下牢に行ったのですか?」
何故あの様な場所にこのタイミングで行ったのだ?

「うん。ほら、例の奴隷商人はホザック出身でしょ。向こうの王子もリュカさんとの駆け引きで下手打っちゃったからさ、この国の国王が意固地になってる原因に文句でも言わせて鬱憤を晴らさせようと思って連れて行ったんだよ」

「は、はぁ……」
凄い事をする人だな。国賓を牢屋へと案内するなんて……囚人と会わせるだけなら、国賓を連れて行くのでは無く、囚人の方を連れ出した方が良いと思うけどなぁ。

「そこでね気が付いたんだけど、凄く地下牢って無駄じゃね?」
「無駄……?」
「うん。無駄!」
「一体何がでしょうか?」

「以前は罪人を大量に収容していたから凄く広い地下牢になってるけど、現在は2名しか居ないじゃん。だから清潔感も保たれてるし五月蝿く感じる事だって皆無。そして場所的に沢山の個室が余ってるのが本当に無駄だと思うんだよね」

「し、しかし……今更地下牢に囚人を入れる訳にもいきませんし、あの2名を別に移す事だって問題あると思いますけど」
あの二人は陛下の怒りを買った数少ない馬鹿共だ。変な場所に移して問題を拡大されては困る。

「う
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