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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十四話 この、こう着状態を打破します!
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アーレ・ハイネセンでは、全ての準備が整っていた。要塞は全速航行をすべくフルエンジンで稼働し始めていたし、各艦隊はそれぞれ臨戦態勢に入っている。要塞、艦隊ともに戦闘準備に突入していた。
 今作戦のほぼすべてはヤン・ウェンリーの策である。これが実現すれば、イゼルローン回廊における主役は自由惑星同盟の巨大要塞にとってかわられることとなる。それだけに皆必死だった。
「加速ベクトル、相対マイナス180方向に、指向!!」
「アーレ・ハイネセン、所定の軌道に入ります。敵要塞との距離、+400、500、600・・・!!」
要塞中央指令室では、司令部要員たちがそれぞれの持ち場にかじりついて懸命に機器を操作し続けている。その中央にあって作戦指揮を執るクレベール中将の顔もこわばって見える。
「要塞の距離が一定になり、主砲の機能が回復次第、インドラ・アロー発射用意。」
クレベール中将は指令した。
「敵要塞、動き出しました!相対速度、10・・・20・・・30・・・!!」
「いったん開いた距離、再度詰められていきます!!」
「要塞主砲は充填体制のまま、待機!!要塞は最大戦速で距離の引き離しにかかれ!!」
クレベール中将以下にとってはこれは予定されている行動であったが、要塞同士が至近で全速力で動くことの危険と恐怖を彼らほど知悉し肌で感じ取っている人間はいなかった。一歩間違えれば大衝突して両者ともども宇宙塵の仲間入りである。
「そのまま全速航行でイゼルローン回廊出入り口に向かうぞ・・・!!」
「野郎、しっかりついてきやがれ!!」
オペレーターたちは拳を振り回して、目の前の怪物に叫んだが、おそらく帝国側でも似たような光景が繰り広げられていることだろうと彼らは思った。この光景を外から見れば、さぞかし珍妙な絵に見えたに違いない。

アーレ・ハイネセンがイゼルローン要塞を引きずり回しているのであるから。

「見ろ!!」
オペレーターの一人が不意に声を上げた。
「敵機・・・いや、艦隊が!!要塞右上方85度から急速接近!!」
「下方左40度からも!!」
「馬鹿な!!後方にも艦隊反応が!!」
「包囲されている!?」
驚愕の事実を司令部要員は知ることとなった。
「味方艦隊は何をしているのだ!?」
クレベール中将は血迷った声で叫んだが、すぐに顔をゆがませた。
「よし、むしろ艦隊がついてきたのは好都合だ。奴らもろともイゼルローン要塞をあのアルテナに叩き沈めてやれ!!・・・・対空砲、撃ち方始め!!」
アーレ・ハイネセン要塞に相対していたのはロイエンタール艦隊、ミッターマイヤー艦隊である。彼らは総勢を数十手に分け、多方面から一斉に仕掛けたのである。ここまでは先日行われた要塞攻防戦とかわるところがないが、彼らの神髄はここからだった。
「突入!!」
ベイオウル
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