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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十四話 この、こう着状態を打破します!
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インドラ・アロー発射準備完了!!」
オペレーターの一人が振り返って叫ぶ。うなずいたクレベール中将は机を叩き上げて叫んだ。
「発射ダァ!!発射ァァァァッ!!帝国に目に物見せてやれェ!!!」
眼は血走り、狂ったように叫んでいたのだが彼の思いは同盟のほぼ全軍全将兵における共通事項だったかもしれない。イゼルローン要塞は5度にわたって味方の血を吸い続けてきた恨み重なる存在である。イゼルローン要塞に足を向けて寝続けて臥薪嘗胆、必ずや復讐を誓うと胸に秘めて出てきた将兵はいくばかりか。
 その恨みを今晴らすときがやってきていたのだった。
「撃てェ!!!!」
流体金属に発射リングが形成され、赤い血の光がきらめいたかと思うと、巨大な柱がイゼルローン要塞に向けて立ち上った。付近の艦艇を吸い込み、粉みじんに原子に還元していく。ミッターマイヤー艦隊とロイエンタール艦隊の無人艦隊が被害を被った。
イゼルローン要塞では轟音と衝撃が全ての部署に走ったが、フィオーナは屈しなかった。
「撃ち返します!!発射!!!」
彼女の右手が華麗に空を舞い、前方に振り下ろされた。イゼルローン要塞から青い柱が、らせん状の渦を纏いながらアーレ・ハイネセンに向けて伸びてきた。同盟軍全艦隊は急速に離脱したが、離脱しきれなかった艦を次々とまきこみ、投擲された青い雷の槍がアーレ・ハイネセンの流体金属層に突き刺さった。
「怯むな!!続けろ!!続けるんだ!!」
この時、クレベール中将は不思議に思ってもよかったかもしれない。


何故双方の要塞の主砲が使用可能になっている状況が出現したのか、と。


だが、彼にできることは可能な限り要塞主砲を敵に撃ちまくることだけだった。
「チィ!!本当に際限・加減・限度ってやつを知らないのね!!」
後方にあっていつ途切れるとも知れない相手方からの主砲攻勢を見ていたティアナが舌打ちした。
「イゼルローン要塞からはまだ連絡はない?」
「ありません!」
ティアナは内心首をかしげていた。機を見るに敏の親友が戦況を見ていないわけではないのだから、何らかの指令があってしかるべきではないか、と思っていたのである。それはロイエンタール、ミッターマイヤーも同じだったらしく、ティアナに向けて、どうしたのかと問いただす連絡があったが、彼女としても答えようがなかった。
と、そのティアナがあらかじめ敷いていた索敵網に反応があった。
「艦隊の反応です!数、およそ7000隻!!回廊の天頂限界宙域ギリギリからまっすぐに要塞目指して進撃しています!!」
「ヤン・ウェンリーだわ。」
ティアナはその名前を戦慄を覚えながらつぶやいた。そして彼女は不敗の魔術師の狙いを正確に読み取っていたのである。これも事前の打ち合わせで想定されていた通りだった。
「艦隊、反転して迎撃に転じるわ
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