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第八十二話 要塞対要塞です(その2)
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殺到すれば包囲網の一角は力を失う。ミッターマイヤーは包囲網を開けるように指示した。一つには新手として第十三艦隊の一部が猛速度で接近してきたからである。ファーレンハイト艦隊だった。その鋭鋒はすさまじく、前衛に損害を受けたミッターマイヤーは後退を決意せざるを得なかった。他方、ロイエンタールも要塞左側面に回り込んで、ヤン・ウェンリーの第十七艦隊を相手に戦い続けていた。
『気を付けてよ、二人とも!』
後方からティアナが注意を飛ばした。
『調子に乗って要塞に接近して、強襲揚陸艦に接舷されるなんていうシナリオは御免だわよ!』
「お前は俺の乳母か何かか。それとも候補生の野外演習を監督している教官にでもなったつもりか。」
ロイエンタールが冷笑を浮かべたが、すぐにもっともだとうなずいた。
「お前の言う通りだ。強襲揚陸艦に旗艦が接舷されるようでは、艦隊司令官としては落第というわけだな。」
その言葉が終わらないうちに、ロイエンタールの旗艦トリスタン及びその護衛艦隊の応射を受けた敵の強襲揚陸艦2隻がすぐ目の前で爆散したのである。顔色一つ変えなかったロイエンタールは既に次の一手を打つべく準備していた。
「で、どうだ。用意は整ったか?」
ロイエンタールがディッタースドルフ少将に尋ねた。
「はっ。既に強襲揚陸艦及び装甲擲弾兵の進発、完了しております。」
「本隊が前進してあの敵艦隊の眼を引き付けるその隙に――。」
ロイエンタールの右手が要塞の一点をさした。
「揚陸艦を突入させろ。周囲の護衛艦隊は残弾を惜しむな。ありったけ撃ち込んでやれ。」
「はっ。」
「本隊は前進せよ。展開する友軍と連携し、砲火を敵艦隊に集中させるのだ。」
ロイエンタール旗艦トリスタン以下本隊数千隻がどっと押し出してきた。ヤン艦隊はそれを冷静に迎え撃ち、得意のピンポイント砲火を集中させるが、ロイエンタールが分派した機動部隊のいくつかが小うるさいハエのようにヤン艦隊にまとわりつく。それでもロイエンタール本隊が被った損害は存外馬鹿にならなかった。だが、ここでやめるわけにはいかない。反対側ではティファニーとファーレンハイト艦隊の攻撃を凌ぎつつ、ミッターマイヤー艦隊が同じことをしているのだ。
その艦隊同士の砲撃戦のさなか、護衛艦に守られた帝国軍強襲揚陸艦が流体金属に向けて突進してきた。
「強襲揚陸艦が突っ込んできます!!」
「迎撃せよ!!」
要塞司令官クレベール中将が叫んだ。砲台が強襲揚陸艦の進路上に密集し、ビームを浴びせかけるが、展開していた帝国軍艦艇の攻撃によって次々と破壊されていく。むろん揚陸艦も帝国軍艦艇の被害も小さくはない。次々と爆沈され、墜落した艦船が流体金属に吸い込まれ、内部で爆発する。あるいは砲台ごと道連れにして小さな光の花を咲かせていく。運よく流体金属を突破した揚陸艦やその
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