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Fate/PhantasmClrown
MySword,MyMaster
Act-2
#2
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は回避の後に切りかかる。
 セイバーが大地に剣を突き立てると、彼を中心に魔力の波動が炸裂する。【魔力放出】スキルによるものだ。ランサーは大きく飛び退くと、狂気的な笑みと共に全身を使っての刺突。

 互いの実力は、ほぼ全くの互角。グレーシャが此処にいるように恐らくどこかにランサーのマスターもいる。
 故に、ほぼ完全な同アドバンテージ。サーヴァントに疲労は無い。グレーシャの魔力はまだある。このままでは、決着はつくまい――
 
 そう、彼女が焦り始めた時。


「OOOooooo!!!! RooooooooooMeeeeeeeeeee――――――!!!」

 
 咆哮が、聴こえた。

 ズゥン、と形容すべき音。地響き。そして直後、更に大きな音と地響きが轟きわたり、『ソレ』は戦場に現れた。


 ――『ソレ』は、大樹のような巨躯であった。


「……何……?」
「……」

 ランサーとセイバーが、剣撃の応酬を止める。
 二人の英雄に見据えられた、『ソレ』。

 一言で形容するならば、『人型のカブトムシ』であった。
 それも、ただのカブトムシではない。南米はブラジルに生息する、ディナステス属の中でも特に大型の種。
 学名、ディナステス・ヘルクレス――――日本においては、『ヘルクレスオオカブト』の和名で知られる、大型甲虫。
 
 闖入者は、それとよく似た姿をしていた。後頭部から伸びる長い角。そして、額から伸びる、短い角。蟹のハサミのような形状の頭部。まるで翅の様に広げられた、背中から生えた器官は、よく見れば枝と葉の様になっている。全身が城塞の如き、威容。

 二足歩行をするその謎の巨体は、何処にあるのか分からない口から、もう一度絶叫した。

「UoOoooOoOoOoooooooo!!!! RooooooMeeeeeeee!!!!」

 グレーシャの視界に、再びステータス画面。では『アレ』は、サーヴァント……!

「え……っ!?」

 そして思わず、その口からは驚愕の声が漏れる。理由は、簡単であった。

 ――ステータスが、高すぎる……!!

 その木製のカブトムシは。
 ステータスが、全て、Bを超えていた。

「RoooooMeeeee――――!!!」

 咆哮する異形のサーヴァントは、次の瞬間には駆け出していた。

「来るか!」

 ランサーが槍を構えて、激突。とてつもない衝撃波が発生し、交差点が陥没。地割れが起こり、土が盛り上がる。

 しかし、先ほどセイバーと互角に渡り合ったその揚力を以てしても。

「ぬ、ぅう……!?」

 ようやく、均衡を保てるか、あるいは、押し負けるか。それは即ち、闖入者はセイバーと同等かそれ以上の力を持つ事になる。当然だ。
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