暁 〜小説投稿サイト〜
ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十話 イゼルローン要塞に向けて出立します。
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
留の言葉を付け加えることは忘れなかった。
「向こうにはシャロンがいる。彼女の事だからアムリッツアの愚行はおかさないでしょう。既に自由惑星同盟の帝国遠征派はシャロンによって抹殺されたようだし、今後もそのような人物が出てくれば彼女の手はまた血で染まることになるわ。私が彼女であれば・・・・むしろ自由惑星同盟領内に引き込んで徹底的な縦深陣形を敷いての殲滅戦を展開するわね。」
自由惑星同盟は個々の艦艇の能力はともかく、艦隊総数においては帝国軍よりも戦力は劣る。その自由惑星同盟がなりふり構わず勝利をつかむとすれば帝国軍を自領深くに誘い込んでの各個撃破をする方策しかないとイルーナは思っていた。このことについては帝国領内侵攻の可能性と同程度の可能性があるとしてラインハルトらと何度も協議を重ねてきている。なりふり構わず、と言ったのはこの迎撃作戦自体が帝国領に近いエル・ファシルなどの主要惑星を放棄することに等しいものであり、仮にも民主主義国家である自由惑星同盟がそのような策を取るとは思えないという意見もあった。
だが、イルーナは自由惑星同盟がこの作戦を取ることをほとんど確信をもって信じていた。なぜなら、向こうにはシャロンがいるからである。並の人間ならともかくとして、シャロンは自由惑星同盟全土の民衆の命や財産など一顧だにしない。それを大義名分の外枠で華麗に装飾してしまうのが前世からのシャロンの得意技であることは嫌というほど知っていた。
「アムリッツアの時と正反対というわけね。」
元帥府のイルーナの自室でアレーナは肩をすくめた。
「これまでのところ同盟には十六個艦隊が創設されて、今度はヤン・ウェンリーの第十七艦隊ができるそうじゃないの。半個艦隊だっていう話だけれど、それだって一個艦隊への昇格は間違いないわ。そしてその昇格の材料となるのが例によってイゼルローン要塞になるというわけみたいね。あのヤン・ウェンリー相手にあなたの教え子たちがどこまでやれるか見ものだわね〜。」
これについてはイルーナは可もなく不可もなしという態度を取った。何しろヤン・ウェンリーと対峙することになるのは今度が初めての経験だからだ。今までは同じ戦場に立ったとしても直接相対をしたということはない。それでさえ、ヴァンフリート星域会戦などではヤンの手腕がいかんなく発揮されてビリデルリング元帥が戦死する憂き目を見ている。片時も油断はならないのだ。
「私の教え子たちの気質の中で私が自慢できるものがあるとすれば――。」
前世の主席聖将は前世の公国侯爵夫人兼将軍を正面から見た。
「それは戦略・戦術の類でも艦隊指揮の手腕などでもないわ。何物にも屈することのない不退転の意志、そして互いを思いやる深い絆よ。これに関しては私はあの二人はヤン艦隊よりもはるかに強いものを持っていると思っているわ。互いの為なら命を懸けて
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ