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決して折れない絆の悪魔
亀裂 帰宅
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今、IS基礎理論学という物をやっている。そんな中、ISを動かしてしまった男である3人はというと……

「(や、やべえ全く訳解らない……。なにこれ日本語なの?)」

百春は教科書に書かれている単語や文章に酷く苦しんでいた、今まで普通に生活していたISに触れる機会など欠片も無かったし知識としても全く詰め込められていない。まあISを学ぶ学校に来ておいて事前学習もしていないのも可笑しな話だが。解っていないのはまさか自分だけなのかと百春は一夏とミカに視線を向けた。

「……(姉さんに教えて貰ったから簡単だな)」
「(この漢字何?後で調べよ)」

二人は真面目にノートを取りつつ教科書に取り組んでいた。二人はISを動かせると解った時点でISにそれなりの興味がわいたので一通り調べて学習はしていたし万が一に備えて姉であるエミザーダに指導を受けていた、現時点では全く持って問題ない、ミカはまだ日本語を勉強している段階だったので読解に問題があるがそれだけである。そんな百春に副担任の真耶が助け舟を出した、きっとこんなクラスだからストレスなどで大変だろうと親切心で声かけたのだ。

「そ、それじゃあ先生……」
「はいっ織斑君♪」
「殆ど全然分かりません……」
「え"っ……。ぜ、全部ですか……?え、えっとその、今の段階で解らない人って他に居ます……?」

勿論、手など上がる筈も無い。今やっているのは参考書の序盤で簡単な所だからだ、寧ろ上げたらまずい。

「未来君達は大丈夫ですか?」
「俺は全く」
「俺も、まあ読めない字ありますけど。これって何です」
「それは……ああっそれは修得"(しゅう)ですね」
「ああっこういう字なのか」
「えっ嘘一夏兄たち解んの!?嘘は身にならないよ!?」

思わずまた兄と呼んだ百春に対して一夏は呆れた半分と怒り半分といった表情を取った。

「いやこの位基本中の基本だぞ、参考書をしっかり読んでれば解る。それにミカは元々中東の出身でまだ日本語を理解しきれないだけだぞ」
「未来の言うとおりだ。おい織斑、お前入学前に配布された参考書はどうした?」
「あの電話帳みたいな奴ですよね、古い電話帳と間違えて捨てました」

百春の頭部に出席簿再び、あまりのアホさ加減に千冬は頭痛を覚えた。

「三日月、お前は本当に日本語がわからんのか?」
「孤児院だと院長に教えて貰ってたけどまだまだ、それに孤児院に来る前まで文字なんか使ってなかったから」
「……何?」
「生きていくだけで精いっぱいだったから」

そう言われると千冬は顔を暗くし、すまなかったと言葉を切った。百春はどういう事かと思ったがもう一発出席簿が炸裂しそんな考えは吹き飛んだ。

「未来、お前達こいつに教えてやってくれんか?」
「嫌です」
「俺も」
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