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決して折れない絆の悪魔
亀裂 帰宅
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?」
「いや女子にはされなかったけどさ」

くるっと百春の方を向いた一夏、それに百春は一瞬嬉しそうにするがすっと上げられた向けられた人差し指の次に放たれた言葉に絶望にも似た何かを覚えた。

「あの織斑君と俺面識無い筈なのになんか一夏兄って言って来るんだ」
「何?織斑とは私は一応関係はあるが久世しか顔見せしていない筈だ」
「だから人違いじゃないの」
「違う……人違いなんか……」

聞こえてくる言葉を否定するかのように小さく呟くように否定し続ける百春、それに千冬は一歩前に出てサムスへと言葉を放つ、謝罪の言葉だ。

「申し訳ない、私の弟がご迷惑を」
「私としてはまだ話を理解しきれていないが、織斑。君には一夏という弟でも居るのか?」
「はい……数年前に行方知れずになってしまい……私も初めて未来 一夏()を見た時驚きました」
「それほどに……しかし、この子は貴方の弟ではなく私の子だ。それだけは言っておく」
「はい……承知しています」

周囲の女子達はあの戦乙女(ブリュンヒルデ)たる千冬が敬語で謝罪している姿に驚愕していた、一体未来の母親は何者なのかと。メディアにも殆ど顔を出さず、受けるのは生放送の電話取材だけという事でサムスは千冬ほど大きく顔が知れ渡ってない、名前自体は同等だが、マスコミに対する脅しのせいか二つ名が"鉄血の女騎士"なのは本人は納得していない。

「二人とも行くぞ、今日は私が腕を振るおう」
「やったぜ母さんの料理!」
「俺酢の物」
「お前の趣味は本当に渋いな、誰の影響だ?」
「ビスケット」
「えっマジで?」

団らんとした会話をしながら去っていく3人を百春は虚ろな目で見つめ続けていた、あれは絶対に自分の兄である織斑 一夏だ、そうに違いないと心の中でずっと反復させながら……。
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