暁 〜小説投稿サイト〜
限りなく○○○に近いサイト
ユーザー数1万人。それなら個人情報保護法の対象業者である

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 シンに取っての、この問題の解決とは?

 そんな質問をいただいた。
 だから、おれは、こう応えた。

「シンにとっての解決法は、バッドノベルス運営が自らの非を認め、謝罪し、シンの小説やコメント、メッセージを元に戻し、シンにバッドノベルス内での発言を許すことです。そこで話し合えば、今、こうして別のサイトでそれぞれに言い分を出し合うよりも、ずっと有意義な時間になると思っています。何よりシンは、バッドノベルスを悪いサイトであるとは思っていません。あそこの読者様は毎日のようにコメントをくださり、とても励みになりました。その読者様の元へ、シンの小説を再びお届けすること――それが解決した、ということだと思っています」

 もちろん、解決が終わりではない。
 そこからがまた、始まりなのだ。




 運営には、今までにおれが問い合わせて来た幾つものメールが残っているはずである。
 それを見れば、おれがいきなりアドレス流出被害者に呼びかけたのではないことも判るだろうし、法の介入があれば、すぐにも証明されるだろう。

 だが、バッドノベルスは法の介入を許さないはずだ。

 なぜなら、バッドノベルスには1万人のユーザーがいる。
 それは、10月6日に届いたメールの中で、
「バッドノベルス会員様およそ1万名様の多くは善良な利用者様ですので」
 という、運営の一文でも確かな人数であることが知れる。
 つまり、個人情報保護法の対象となる、5000人を超える個人情報を保有する業者、ということになる(過去半年以内に、1日でも5000人を超えていれば適応)。
 個人情報の取り扱いには、個人情報取り扱い業者として、義務が課されることになるのだ。
 だが、このサイトの規約には、その個人情報の取り扱いについての明記がない。

 個人情報とは具体的に、

 氏名、生年月日、電話番号、会社における職位や所属
 本人が判別できる映像などの情報
 特定の個人を識別できるメールアドレスなどの情報

 などを指し示す。

 そして、その個人情報をユーザーから取得するためには、取り扱いにおいて、明記しておかなくてはならない。
 それすら為されていないサイトなのだ。

 このメールが届くまで、おれはバッドノベルスが抱えるユーザー数など知らなかった。
 このサイトが個人情報保護法の対象となる業者に当たるのかも、解らなかった。
 だが、このメールを受け取ったことで、それが明らかになったのだ。
 またもや運営は、自らの手で墓穴を掘ったわけである。



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