暁 〜小説投稿サイト〜
Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#35 光の王都バチカル
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しながらミュウを撫でる。ミュウも気持ちよさそうに目を瞑っていた。
 そんな騒がしい、賑やかな周囲とは対照的に、ルークの表情はそこまで変わってなかった。……戻ってきた、と言うのにも関わらず。

「ちっとも帰ってきた気がしねーや………」

 何処か、寂しそうに、そう呟いていたのだ。
 それを横で聞いていたガイは、ルークの肩に手を置いた。

「そうか……。ルークは、記憶を失ってからは外にはでてなかったからなぁ」

 同情するガイ。
 ガイだからこその言葉だろう。長く苦楽を共にしてきた間柄だから。
 そんな時ティアが言った。

「大丈夫、覚えていなくてもこれから知ればいいのよ。まだまだ、沢山時間はあるんだから」
「………だね」

 過去よりも今を、そして 未来を。
 ティアの言葉を横で、聞いていたアルは 強く同調した。ルークの境遇は、アル自身にも当てはまる事だから。

 そんな時だ。アニスが、嫌〜な顔をして、ティアの顔を覗き込んだ。

「ふーん、ティアってば な〜んかやさしくな〜い?」

 何処か悪戯心がその表情に現れているのはよく判る。この中でも付き合いはそこまで長くないアル自身も、よーく理解できているつもりだ。

「え………?」

 ティアは、何を言われているのか、いまいち理解出来てなかった様で、きょとんとしていた。
 そんなやり取りが、何処か面白い。

「あっ、そっか。 これが所謂……、ええっと… そうだ、母性本能をくすぐられたって……って事で でいいのかな? ティアは」
「ん〜、その通りです。100点満点の回答ですねぇアル」
「あはははっ、やっぱりっ?」

 アルとジェイドが笑いながらやり取りをしていると。

「何でそうなるのよ! そんなことないわよ!」

 ティアが慌てて否定していた。何処か 顔を赤らめながら。

 そして、ヴァンはそんな(ティア)をじっと見ていたのだった。






〜バチカル城〜



 無事に、城にまで到着し、後はルークに任せるだけなのだが、王との謁見の間への扉の騎士封鎖していた。

「ただいま大詠師モースが謁見中です。暫くお待ちください」

 その一言で、場の空気が変わった、

「大詠師…モースが…?」

 ヴァンも同様だった。表情が更に険しくなっていく。
 唯一違うのはルーク。
 ルークはと言うと、心底面倒くさそうな表情をしていた。

「……はぁ、叔父上に変な事吹き込まれる前に入ろうぜ」

 ルークはそのまま謁見の間へと入ろうと足を進めた。
 騎士達は、入室を止めようとするけど。

『どけっ!』の一言であっさり解決。ルークを止められるだけの権限を持ち合わせてる訳ではないから、止めようがない
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