暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第80話「決着、神降し」
[1/10]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話






       =優輝side=





「っ、ぐ...!」

「目が覚めたわね?」

 ちょっとした衝撃を感じ、僕は目を覚ます。
 見れば、椿が覗き込むように僕を見ていた。

「状況は分かってる?」

「...偽物にやられた。」

「分かってるわね。」

 やはり瞬間的な出力で負けていたため、一気に弾幕を展開されて落とされてしまった。
 ...そこへ、耳をつんざくような金属音が連続で鳴り響く。

「....奏...。」

「長くは持たないわ。それぐらい、貴方もわかっているはずよ。」

 ...確かに、奏が時間稼ぎをするのを指示したのは僕だ。
 しかし、それは僕が気絶しなかったのが前提だった。
 だから、気絶してしまった分、既に奏は限界のはず。なら、急がなければ...!

「陣は書いておいたわ。ここに乗って。後は私に合わせてちょうだい。」

「分かった!」

 椿の指示通り、描かれた陣の上に乗る。
 そして、椿が霊力を迸らせ、何かを呟き始める。

「(奏...皆....!)」

 遠くの方では、奏の助太刀に来たのか、なのはや父さんの姿が見えた。
 ...それでも、長くは持たない。

「....道は拓けた。...後は任せるわよ。優輝。」

「...了解...。」

 そういって椿の姿が消える。死んだ訳でもない、消失した訳でもない。
 霊力の...いや、僕の知らない力の塊のようになって、僕に纏わりつく。

「.....来たれ、草祖草野姫....!」

 ただ一言、霊力を言葉に込めた言葉...言霊を使って椿が用意した術が起動する。
 何かが僕の体に降りてくる。...そして、それが弾けるように僕に入り込んだ。
 その瞬間、僕の体は神秘的な光に包まれる。

「......!」

 ...まるで、生まれ変わったかのような感覚だった。
 溢れる力は、今までの僕や椿を軽く凌駕していた。

「....あれ?」

 そして光が晴れた時....僕は体の違和感に疑問の声を上げざるを得なかった。

「....“創造(シェプフング)”...。」

 目の前に等身大の鏡を創造して、自分の姿を確認する。

「...椿の姿?」

 いくらか僕の面影は残ってはいるが、僕は椿の姿になっていた。
 黒髪黒目だったのが、茶髪の茶色の目になり、髪は伸びていた。
 さらに服装も、いつもの椿の着物の上に五つ衣という煌びやかな着物を着ていた。
 水色の着物に青鈍(あおにび)色の袴。その上に青、紫、赤紅色の着物を三重に羽織っている。
 赤紅色の着物には、白い花の模様が散りばめられている。

 ...一見すれば明らかに動きにくそうだが、
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ