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作られた善行
第三章
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「屑のやるスポーツは屑だよ」
「そう言うんだな」
「本当にテレビで観るだけで忌々しいな」
 優樹はこうまで言った。
「目を清める為に部屋でパソコンしてくる」
「ネットでアイドルの画像観るのか?」
「動画かな、水着や下着のアイドル観る方がな」
 このボクサー一家や自称番長のプロ野球選手が持て囃されているテレビを観るよりもとだ、優樹は正樹に言った。
「精神的にずっといい」
「それでか」
「ああ、ちょっとアイドル観て来るな」
「俺もゲームするか」
 正樹もポテトチップスを食べつつ言った。
「これからな」
「そうしろ、こんな連中のヨイショ番組観るよりもな」
「ゲームする方がいいか」
「ゲームは楽しめるがこの連中の話は不快になるだけだ」
 だからだというのだ。
「そっちしろ、ゲームをな」
「それじゃあな」 
 正樹は席を立って自分の部屋に向かう優樹を横目で見ながらだった、ゲーム機とソフトを出してテレビに接続してだった。
 ゲームをはじめた、そして彼等から見てその不快な番組を消した。
 この時はそれで終わった、だがこの一家へのマスコミのヨイショは続き。
 優樹は一家の誰かがテレビに出る度にだ、不機嫌な顔で言った。
「またヨイショかよ」
「この前はクイズ番組に出てたぜ」
「クイズにも出すな」
 とかくテレビに出すなと言う優樹だった。
「どんな番組でもだ」
「テレビに出したらだよな」
「それだけで害だ」
 まさにというのだ。
「どうせクイズに出てもな」
「まともに勉強してた筈ないしな」
「答えられる筈ないだろ」
「実際一問も正解してないな」
「馬鹿だからな」
 優樹はまたこう言った。
「というか相変わらず敬語も何も出来てない喋りだな」
「完全にチンピラだよな」
「態度も悪いしな」
 喋り方だけでなくそれ全体がというのだ。
「どれだけ教育が悪いかだよ」
「そうした家庭なんだろうな」
「あの親父だからな」
 今はテレビの画面にいないその父親のことも言う。
「当然だろ」
「まともなことは教えてないか」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「喧嘩とかで相手に勝てとかな」
「そういうことしか教えてないか」
「ヤクザかゴロツキの教育しかしてないさ」
 どうせ、とだ。優樹はテレビに映るその一家のうちの一人を睨みつつ言った。心底嫌っているのがその目にはっきりと出ている。
「この喋りとか態度でわかるさ」
「もうそれでか」
「ああ、わかるさ」
 それこそというのだ。
「試合だってな」
「ああ、八百長の話出てるな」
「実際どうかわからないけれどな」
「判定怪しいよな」
「聞いたことない外国の選手ばっかりだろ」
 一家の試合の相手はというのだ。
「そんなの勝って当たり前で
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