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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百三十一話 捕虜交換(その2)
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立に同盟が関わっているなどこれまで誰も唱えた事が無い説だ。落ち着いているのは私と元帥だけだ。

ヴァレンシュタイン元帥は念を押すかのように問いかけて来た。
「それは同盟政府が認めたと言う事ですか?」
「その通りです」
キャゼルヌ先輩とシェーンコップが物問いたげな表情をしている。メックリンガー提督も同様だ。

「なるほど、それで地球についてはどうでしょう」
「それについては確証が取れませんでした」
「取れませんでしたか……」
ヴァレンシュタイン元帥が呟いた。少し表情が曇っている。どうやらこちらの調査にかなり期待を抱いていたようだ。

「お話中のところ申し訳ありませんが、我々にも」
キャゼルヌ先輩が話しかけるとヴァレンシュタイン元帥が右手を上げて遮った。
「キャゼルヌ少将、シェーンコップ准将、話せば長くなります。詳細は後ほどヤン提督から聞いていただけますか。メックリンガー提督には私が話します」

三人は顔を見合わせ頷いた。それを見てヴァレンシュタイン元帥が“申し訳ありません”と言って頭を下げると三人が恐縮したように頭を下げた。

「地球の関与は確認できませんでしたか……。となると同盟政府の協力は難しい、そういうことでしょうか?」
「現時点ではそうです。地球教は主戦論を煽っていますがそれだけでは犯罪とは言えません」
私の答えにヴァレンシュタイン元帥は無言で頷いた。

「トリューニヒト議長は主戦派と親しいと聞いていますが?」
「以前はそうですが現在は違います。この件で議長が地球教を庇うような事はありません。閣下の推論が正しいのであれば、今回の件は非常に危険だと議長は考えています」

ヴァレンシュタイン元帥がこちらの言葉に考え込む様子を見せた。自分がトリューニヒトの弁護をするなど以前は考えられなかった事だがサンフォード前議長のようなフェザーンの傀儡に比べれば千倍もましだと言える。少なくとも今のトリューニヒトには協力するのにやぶさかではない。

「新たな証拠が出ればこちらも動く事が出来ます。地球は帝国領にある、そちらで地球を調査はしていないのですか?」
「現時点ではしていません……」
「調査をするべきだと思いますが?」
「そうですね、同盟政府の協力が期待できるのです、地球を調べてみましょう。結果はそちらにもお伝えします」

ヴァレンシュタイン元帥は溜息をついて答えた。地球の調査に余り気乗りがしないらしい。この問題に関してはこれで良いだろう、とりあえずボールは帝国に投げた。後はどんなボールが帰ってくるかだ。

話が終わったと思ったのだろう、キャゼルヌ先輩が口を開いた。
「帝国では改革が進んでいると聞きますが?」
「まだ始まったばかりですが、同盟の方にも受け入れられるように頑張っています」

元帥の
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