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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第15話 桜田舞帆の決断
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る。

「船越君を馬鹿にしないで! 船越君は私のために、実のお兄さんにまで抗って! あんなに血まみれになってまで……戦ってくれたのに……そんな言い方、ないよ」

 竜頭蛇尾、というのだろうか。舞帆の訴えは次第に真っ赤な怒りから、暗い涙声に変わっていった。

「それこそが、この男の策謀なのだ。お前をそうやって惑わせて、我が桜田家へ取り入ろうとしている下劣な輩なのだよ。その証拠に、お前は本当なら器物損壊と傷害に問われるはずだったこの男を必死に庇い立てた上に、私の助力まで求めたではないか!」

「――なに?」

 俺は目を丸くして舞帆を見る。彼女も俺の視線に気づいているのか、目を合わせようとしない。

 校長の視線が舞帆から俺に移ると共に、その哀れみの目の色は激しい憤怒へ変わる。

「ついには舞帆を差し置いてセイントカイダーを騙り、娘の華々しいヒーローデビューを汚しおった……なんたる侮辱か!」

「達城に――校長の奥さんに聞いた。あんたが娘をどうしてもセイントカイダーにしようとしたって、ホントなのかよ」

 向こうの怒りはたくさん聞いた。聞くだけ聞いた。
 ……今度は俺が聞きたい。

 その一心で、俺はそこで初めて舞帆の父と言葉を交わした。

「朝香が舞帆を置いてセイントカイダーに選んだと言う男がどれほどのものかと思ってみれば、まさかよりにもよってあの害虫男だったとはな。貴様と朝香の動向はとっくに把握していたが、舞帆しか使えないというシステムの根本を無視してまで運用する程の者がいると聞いてしばらくは静観していた。だが、舞帆の代わりに戦うなどとほざいていながら結局はこのザマか」

「質問に答えたら、どうなんだ」

 どうやら、俺達のことはお見通しだったらしい。
 だが、肝心の質問の答えがまだ聞けていない。

 校長のどこまでもこっちを軽視する物言いの数々に、さすがに言える身分ではないと分かっていても、声を荒げずにはいられなかった。

「学園のトップたる校長に対して暴言とは……舞帆の指導で更正したとも聞いていたが、とんだデタラメだったようだな。まぁ、いい」

 そこで一旦言葉を切って咳ばらいすると、目の色が瞬時に変わった。

 一切の反論を許さない、絶対的な威圧感。
 目だけでなく、そういった雰囲気を全身から噴き出しているようだった。

 思わず腰が引けてしまいそうにもなったが、ここで引いたら男が廃る。
 冷や汗を流したまま、決して目を反らさず、俺は真っ向から校長と向き合った。

「朝香の言う通りだよ。舞帆は賢い。貴様も知っているだろうが、この娘は海外留学も経験し、既に教養の面では卒業しても問題ないレベルだ。お世辞の一切を抜いてな。寛矢も飛び級で宋響学園を卒業してヒーローになったが、舞
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