暁 〜小説投稿サイト〜
夢値とあれと遊戯王 太陽は絶交日和
レベル7中編 崇高なる存在は幻
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
も入れたいカードが思いつかなかったので、うっかり越しちゃったってことは、あまりないと思いますが……」
「なんでそんな知って……あ、そうか」
 ダードは肉球をポンと打った。
「あれがお前の言っていた、護身用のデッキか」
「いえ、それと間違えて未完成のデッキ持たせちゃいました」
「はぁ!?」
 ダードは声を荒げた。しかし外には漏れない。
「《魂吸収》と《エメラルドポリス》ということはほぼ確実ですね。いやぁ、びっくりでしたよ」
 夢値はあははとはにかんだ。
「え、は、み、未完成ってなんだよ?」
「デッキとして形にした後に1人回ししてみたんですが、どうもデッキとして安定しなくて。ぼくが使う分にはそこまで問題にはならないんですが、初心者の樢さんに渡すものとしては未完成なんです。あと使い方難しいし」
「そんなん使わせちまって大丈夫なのか?」
「それは樢さん次第ですね。で、その樢さんは?」
 無理矢理視線を樢に引きちぎると、どうやら樢はぶつぶつ呟くのをやめたようだ。暗いながらもどこか悟ったような目で対戦相手と、自分の手札を見た。
「元気そうですね」
「あれのどこが元気そうなんだよ。というか、」
「スタンバイ、メイン」
「あいつ、なんか様子おかしくないか……?」
 ダードの声も届かず、樢はゆらりと伏せカードを捲った。
「まだ勝てる。リバースカード、《攪乱作戦(かくらんさくせん)》!」
「……」
 毛糸の眉がピクリと動いた。
「「《攪乱作戦》!?」」
 ダードも夢値も素っ頓狂な声を上げた。
「って、夢値が入れたカードじゃないのか?」
 ダードは夢値の方を振り向いた。
「はい。多分あれが、61枚目のカード……」
「……それにチェーンして《PSYフレームギア・ε(イプシロン)》の効果を発動」
 毛糸が動いた。罠カードを無効にする『PSYフレーム』だ。
「あ、あれを止めるのか!?。ただ単に、手札をデッキに戻して、戻した分ドローするだけのカード、九衆宝の手札が減るわけでもないんだぞ?」
「でも、《撹乱作戦》は普通のデッキには入らないカード。溢れる程妨害を持っているなら、念には念を入れてということもあります」
 夢値は見えない毛糸の手札を注視した。
 《ε》と《ドライバー》が毛糸のフィールドに特殊召喚され、罠カードの《攪乱作戦》は無効になり破壊された。
「だけどこれで、他の『PSYフレーム』の効果は使えない」
 樢は口角をニュッと吊り上げた。
「そうね」
 毛糸は表情を変えない。
「やっぱ樢のやつ変だ。あんな気味悪い笑い方するやつか?」
 ダードは顔だけを夢値に向けた。
「案外友達の前では日頃からあんな感じなのかもしれませんよ?」
「あのな」
「というか、」
 夢値は顔を毛糸の方に逸らした。
「毛糸
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ