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第一章 〜囚われの少女〜
笑う首と望む結末
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題なのであった。
「……このままだと、本の世界に閉じ込められっぱなしって事よ。未完結でね」
 少女は多少呆れたように言った。
「それって……なにかまずいのか?」
 男は自分で言った後に少し理解したようで、焦った。
「なんだかよくわからんが……まずいよな! ああ、うん……」
 そんな男にキャスリンは、怪しげな視線を送る。
「あのね、今はまだ何とか、この世界が保たれてるけど……主人公であるあなたが行動しない限り、このまま物語が終わってしまう事になるのよ? 物語は永遠じゃないの、いつか終わるの……」
「終わったらどうなるんだ?」
 少女の言わんとすることは難しく、男の理解力は乏しい。この二人には少々、関係に難があるのかもしれない。
「このまま進まなかったら、物語は中途半端に途切れてしまうの。それは、死ぬことと同じ。そして誰にも見られなくなって……忘れられてしまうのよ……それって消える事と同じなの」
 少女は切なげな表情をにじませる。
「そうならないためにはどうすればいいんだ?」
「物語を望む結末へ導くこと。……それには主人公が望みを叶える事が必要なの。そしてそれは、本当のあなたにしか出来ない」
 少女は言葉を尽くした。
「――で、わかったかしら?」
 男は答える。
「……それがわからないからっ……困ってるんだ!」
 少女は額に手をあて、呆れたようにがっくりと肩を落とした。
「じゃあ、あなたはどうしてオレリア城に侵入してきたの? 目的はなに? この本の世界で、本当のあなたは一体、何をしていたの?」
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