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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
第三章 夢魔と半妖精に紡れる絆
虚像-フェイク-part1/誇りと愛の狭間で
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さらに、三男船長グルも口を開いてきた。
「とにかく、主にもチビたちの相手をしてもらうぞ。他にも食料確保に船の整備…やらなかったら飯抜きだからな」
「貴様らの施しなど受けるか!そうするくらいなら、死んだ方がマジだ!」
貴族としてのプライドを強く出して見せるヘンリー。そ
しかし、彼を止めに、ウエストウッド村の子供エマが反対して来た。
「そ、そんなの駄目だよ!」
「死んじゃうなんて駄目だよ…」
「あんた、子供の前で自殺でもするつもりなら、あたしはあんたを止めさせてもらうよ。この子達に死体なんか見せたくないからね」
「まさかアルビオンの誇るべき軍人が、子供の前で死体になりたがるのかのぉ?」
「き、貴様!さっきと言ってることが違うぞ!」
まるでさっきと真逆の言葉を面白がってるような態度で言ってきたギル船長にヘンリーは突っ込みをいれた。
「それはそれ。これはこれ、じゃ」
全く詫びるなかったギルに、ヘンリーはギリッと唇を噛み締める。
仕方なく、ヘンリーはティファニアたちウエストウッド村の皆と共に空賊たちの世話になることとなった。


「すみません、あなたにまで苦労を背負わせて」
「全くだ。僕はアルビオンの軍人だぞ」
不本意ながら世話になることとなったヘンリーは不満を隠せずに、ティファニアにそれを漏らした。テファもまた、無関係だったはずの彼まで巻き込んでしまったことに責任を感じて謝ってきた。因みに彼女はヘンリーの前では必ず帽子を被ってエルフの血を引く者の証である長耳を隠しており、ヘンリーにはハーフエルフであることを隠したままだ。彼は彼女の両親を殺したアルビオン軍の一員で、彼女もまた殺されかけたことがあるからである。
この時の彼らは、マチルダもテファに万一のアクシデントがないよう同行し、山の中に流れる川の水で皿洗いをしている。
「どうして、あなたは軍人になろうと思ったのですか?」
「なんだ、急に」
洗った皿を篭に積めながら、テファはヘンリーに向けてふと気になったことを尋ねる。
「私、戦いに赴く人の気持ちがわからないんです。怪我をしたら痛いし、死んでしまったら悲しいだけなのに」
シュウがこれまでウルトラマンとして戦い、自分達を守ってきてくれたことを思い返しながら彼女は言った。シュウには確かに感謝をいくらしても足りないほど助けられてきた。だが、同時に彼が自ら痛みをともなうばかりの戦いに身を投じることに心を痛めていた。
ヘンリーたち軍人も似たようなものだ。マチルダから聞きかじったくらいだが、戦場に出た貴族は命より名誉や誇りを尊ぶという。
「国のために戦い、死ぬ。貴族の誉れを求めるのは当然だ」
「死ぬために戦うなんて…」
やはりマチルダから聞いた通り。ヘンリーもそれが正しいと信じて疑わないのか。
「ふん、君には理解できないだろ
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