暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
事の始まり
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込んだリキュールのオレンジ・ビターズを1dash。これをシェークしてカクテルグラスに注ぎ、マラスキーノ・チェリーを飾れば完成。

「ほいさお待たせ、『アベイ』と、ツマミのカナッペだ。」

 アベイはオレンジの風味を前面に押し出したカクテルだ。そのフルーティさ故にツマミもシンプルにチーズを載せたクラッカー位の方がいい。さて、お次は由良の注文のコーヒーカクテルだが……。

「由良、アイスとホット……どっちがいい?」

「え、どっちも出来るの?じゃあ…今日は暑かったしアイスで。甘めの方が嬉しいかな。」

 甘めのコーヒーカクテル、アイスでか。…よし、ならアレで行くか。

 ベースに使うのはモーツァルト・リキュール。発祥の地はオーストリアのザルツブルク。厳選されたビター・チョコレートを使用したリキュールで、チョコと言いつつ甘くない、カカオ本来の香りと苦味を楽しめるリキュールだ。これ単品でオンザロックでも美味いし、ウォッカで割ってマティーニスタイルでも楽しめる。日本の酒造メーカーだと、サントリーが本場と同様の作り方でビターとスイート、それにホワイトも出してたかな?コイツを氷を入れたタンブラーに45ml。そこにアイスコーヒーを適量。軽くステアしたら、仕上げにアイスクリームとホイップクリームを飾って出来上がり。

「お待たせしました、『モーツァルト・アイス・コーヒー』です。それに、ハニートーストもどうぞ。」

 由良は目をキラキラと輝かせてハニートーストにフォークを突き立てて、そのまま口へ運んでパクリ。そこへモーツァルト・コーヒーを流し込む。

「うん、おやつの時間みたいな取り合わせだけど、チョコレートのリキュール?が効いてて美味しい!」

 どうやら、ご満足頂けたようで。



「ところで提督さぁ、さっき何してたの?」

 アベイを飲み干し、お代わりにA1を注文した川内があけすけに聞いてきた。

「あぁ、あれか?…いや、恥ずかしながら麻雀が打ちたくなってな。だが、打てる面子が居ないから雰囲気だけでも味わおうと思ってな?」

 暴露したら途端に恥ずかしくなってきた。だが、由良は驚いたように目を丸くしている。

「ん?どうした由良、鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔して。」

「提督さんのお店って、雀卓あったの!?なら早く教えてほしかったなぁ。」

 なんでも、由良は前から麻雀に興味があったらしく、独学でルールを覚えてネット麻雀を楽しんでいたらしい。意外な趣味だが、人は見かけによらないと言うことか。

「他にも、正規空母の皆さんとか、龍田さんなんかも打てるみたいですよ?」

「マジでか?知らんかった……。でもアイツ等ウチに来るときにはほとんどヘベレケだからなぁ。」

 今度誘ってみるか、等と考えて
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