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世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
恋姫†無双 〜翼人と恋姫と〜
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華蝶仮面の騒ぎがあった日の晩。
蒔風は一人城壁の上で座禅を組んである技の練り込みをしていた。



「世界座標を確認。自身の心象を完全理解せよ・・・・・それを詠唱に乗せて世界に映し出す・・・・・・我、異端なる者也 故にそこに法則は無く・・・・・・(ブツブツ)」

スゥ、と蒔風の周囲が毛色を変える。
見えてきたのは世界の崩壊。
そしてそこに手を伸ばし・・・・


「っぁはッ!?・・・・・・っふ・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・キッツ・・・・」


そのまま腕を後ろに伸ばしてのけ反る蒔風。
額には汗が流れている。


「お一人で鍛練ですかな?」

「んあ?」

そこで声が駆けられる。
蒔風がその声のした方を見ると、そっちには酒を飲んでいる星が居た。
どうやらさっきから見ていたようだ。


「星か。よく会うなぁ、お前とは」

「なに、私は面白いことが好きですからな。そして貴殿も楽しい事が好き。ならば出会うのはそう珍しいものではありますまい」

「さいですか。高いとこって好きなん?」

「ふむ、好きですな。下に人がいたら・・・・」

「ハーハッハッハッ!と高笑いして登場?」

「よくわかっておられる。一杯どうだ?」

「酒かぁ。オレはそんな飲めんぞ?今までだって一回しか飲んだことがないし」

「なに、良い酒だから悪酔いはせん」

「じゃあ・・・・もらおうかな」


そういって蒔風もチミチミと飲み始める。


「それにしても良い酒出すって、なんかいいことあったのか?」

「ありましたとも。あらたな正義の仲間ができましたゆえ」

「?・・・・あぁ昼間の・・・・」


「どうだろうか?またやってはもらえないか?」

「また?楽しかったからいいけど」

「お?よぅしよし!これでよりいっそう正義の伝道ができますわな!!」

「正義の伝道?」

「我々の活躍を見て、子供たちは正しいこと、正義のなんたるかを知る。そうしてゆけば、彼等がこの国を動かすとき、素晴らしい世の中になっているはずだろぅ?」

「あぁ・・・・そういうことか・・・・・・だったらオレァやめるよ」



「? なぜだ?」


星は不思議に思う。
璃々を助けだし、皆とも気が合い、さらに聞けばいくつもの世界を救ってきた男。
その男が次世代に正義を伝えるのに積極的ではないとはどういうことか、と。


「オレの正義と世間一般の正義は違うの」

「あなたの・・・・正義?またなにをいうか。すべてに通ずる正義などありはしない。私もあなたも、異なる正義があり、似通った部分があるからこうして酒を交わしているのだろう?」


「自己正義までは知ってるのか・・・・・・
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