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ep.030 誘拐 その2
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敵は神薙の一撃を受け止める。
そして弾き返した。
「おっと、これはちょっと驚いたぜ。」
しかし、その顔には驚いたような雰囲気はない。
むしろ楽しんでいるようにさえ見える。
だがそれはフェイクだった。
襲撃者の男が足元を見ると、白い包帯のような物が七草を包んでいた。
神薙がそれを引っ張ると七草が不死鳥の背中から落ち、すぐさま桐崎が回収に向かう。
「桐崎、七草は任せるぞ。 それと......。」
再び神薙が包帯のような物を引っ張ると、襲撃者の1人が引き摺り落とされる。
神薙は一手で救出と引き付けを行えるようにしていた。
「うおっ!!」
バランスを崩す男に神薙は槍を振るが、男はまたこれをガードして見せる。
膠着状態のまま両者は落下を続ける。
「馬鹿が! 自滅するつもりか!」
「自滅? 何十mの高度から落ちるだけだろ?」
その台詞は狂気すら漂わせる。
男は静かに血の気が引いていくのを感じる。
「俺は最近、色々溜まってるんでなぁ....発散に付き合ってもらうぜ。」
その頃ー
佳奈を乗せた不死鳥の男はもう一人の仲間を回収する機会を伺いながら飛んでいた。
神薙は落ちていったし、桐崎も人質がいるのが分かっていて仕掛けに来る奴じゃない。
仁に至っては心配事の対象にさえ入っていなかった。
その仁も超電磁砲を佳奈に当ててしまうかもしれない恐怖感から攻撃をできなくなっていた。
「仁くん!」
背後から声がして振り向くと影縫が来た。
桐崎と神薙が向かってから数分後のことだった。
影縫は自身のPCで管理しているウイルスの1つを起動させて来たのだ。
「佳奈ちゃんと七草ッチは?」
「七草さんは助かりました...でも佳奈が....。」
嘆く仁を横目に影縫は上空にいる2匹の不死鳥を見る。
その後に仁が先ほどまでしていたことを思い出す。
『あのコイントスのポーズは多分、御坂美琴の超電磁砲に間違いない....なら不死鳥を撃ち落とせるかな。』
影縫の頭の中でイメージが浮かび、その答えに導くために頭の中がフル回転する。
考えるよりも先に数式が組み立てられていく。
答えに辿り着いたのは2秒後のことだった。
「角度はそのまま、俺のタイミングに合わせろ。」
影縫の言葉で仁に緊張が走る。
少しも外すことは許されない。
外れることは佳奈に当たることに同じだからだ。
「カウント10秒前....10....9....8....7....6....。」
影縫の中で一瞬のズレもなく秒針が進む。
これから実行されるのは未来を見通す数式。
もはや人間の所業ではないだろう。
「5....4....3....2....1....撃て!」
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