第3章:再会、繋がる絆
第73話「“未練”を断ち切って」
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た。
―――...頑張ってね。私は、いつでもお兄ちゃんを見守っているよ...。
「.....ああ。見ていてくれ。緋雪。」
最後に心に響くように紡がれた緋雪の言葉を噛みしめ、決意を新たにした。
そして、目の前に広がる夢の世界を見据える。
「....リヒト、シャル。」
〈...ご命令を、マスター。〉
〈いつでも私たちは行けます。〉
首に掛けられている白いクリスタルと赤い十字架...リヒトとシャルに改めて声をかける。
...今度は、返事が返ってくる。
「...一応、聞いておくけど、さっきの時はなぜ沈黙を?」
〈マスターの心が不安定だったからです。この状態で無理矢理脱出した所で、後の戦闘に支障を来すと思いましたので。〉
〈...また、お嬢様の思念が残っているのは分かっていました。なので、マイスターが立ち直るまで、私たちは様子を見ていたのです。〉
「...つくづくよくできた相棒たちだよ...。」
マスターのために、敢えて様子を見るなんてな...。
...さて。
「この夢とも、お別れの時だ。リヒト、シャル。」
〈〈Jawohl.〉〉
リヒトはカンプフォルムとなり、グローブの形態となって僕の手に装着され、シャルは杖の形態で僕の手に収まる。
デバイスの二重使用。これによって、体への負担も大きく減らせる。
「だけど、まずは...。」
〈“L?vateinn”〉
そのまま、炎の大剣を展開する。
そして、その大剣を大きく振りかぶり、一閃する。
パ、キィイイイイイン!!!
「...“彼女”を、起こしに行かないとね。」
夢の世界に罅が入り、全てが決壊する。
それに見向きもせず、僕は歩みを進めた。
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