第3章:再会、繋がる絆
第73話「“未練”を断ち切って」
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=out side=
「優輝...!?」
優輝と奏が消えた。その事に椿は動揺を隠せない。
「吸収された...!?」
「ユーノ?どういうこと...?」
以前闇の書事件に関わっていたユーノは、何が起きたのか理解していた。
その事に椿も気づき、どういう事か聞く。
「...闇の書は、ああやって吸収...リインフォースに聞いた限りじゃ、転移魔法の一種らしいんだけど...。とにかく、吸収してその人物が深層意識で望んだ光景を夢として見させるんだ。そして、そのまま永遠の眠りに...って訳。」
「それって...!」
結構やばい状況らしい事に、椿は驚く。
「...かつての事件の時、誰も吸収されていなかったけど...まさか、そこまで再現されているなんて...。」
〈誰も、という訳ではありませんよ。〉
ユーノの言葉を、シュラインが否定する。
〈...マスターが一度吸収されました。だからこそ、再現されたのでしょう。〉
「...どの道、助ける事に変わりは...ないわっ!」
飛んできた暴走体の魔力弾を飛び退いて避けつつ、椿はそう言った。
「方法はあるのかしら!?」
〈砲撃魔法のような強い魔法でダメージを与え、中で眠っている二人を目覚めさせれば可能です。また、自力で目を覚まして脱出する場合もあります。〉
「...つまり、優輝達次第って事ね...。」
外からではほとんど何もできない事に、椿は歯噛みする。
そうしている間にも、魔力弾と共に暴走体が襲い掛かる。
「っ..!」
ギィイイン!
振るわれたパイルスピアを、椿は短刀で受け流し、蹴りを放って距離を離す。
同時に、ユーノもバインドを仕掛けて間合いを取る。
「(私とユーノ、どちらも前衛向きではない...!厳しいわね...。)」
遠距離主体の椿に、防御魔法が堅いとはいえ、攻撃手段がごく僅かなユーノ。
どちらも前衛をするには足りないものがあり、二人は逃げ回りながらの戦いを余儀なくされた。
「(優輝、奏...!信じてるわよ...!)」
きっと目覚めてくるであろう優輝達を信じ、椿は絶対的不利な戦いへと身を投じた。
=優輝side=
「....ん....む、ぅ......。」
微睡みから意識が覚醒していく。
....なんだ....?
「お兄ちゃん!起きて!」
「ん....ぇ....?」
横から声が掛けられ、僕はその声の主に驚く。
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