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テキはトモダチ
22. 遊びに来た理由 〜電〜
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地さん!!」

 たまらず立ち止まってその人の名前を呼んだ。大声で、精一杯の気持ちを込めて。電はここにいるのです! あなたの友達はここにいるのです!!

「集積地さぁぁあああああん!!!」
「!? イナズマ!!」

 心臓がバクバクして痛い。でもこれは、息切れしてるからじゃない。

「集積地さん!! 会いたかったのです!!!」

 バクバクする胸の痛みと息の苦しさを我慢して、もう一度全力で走った。大好きな友達の元に少しでも早くたどり着きたい。今私のずっと先で、両手を広げて私の名前を叫んでくれる友達の胸に、少しでも早く飛び込みたい!!

「イナズマ!!」
「集積地さん!! 集積地さん!!!」

 あと数メートルがもどかしくて……あと数歩がまどろっこしくて、私は集積地さんに向かって思いっきりジャンプした。受け止めるのです集積地さんっ!!

「集積地さんっ!!」
「イナズマっ!!」

 勢い良く飛び込んだ私を、集積地さんはしっかりと受け止めてくれた。私はやっと、本当の意味で友達と再会出来た。だけど……

「はわわっ!?」
「ぉおっ!?」
「ちょ……集積地さん!?」
「まっ……ちょ……バラン……ス……!?」
「「おぶぅうッ!?」」

 どうやら私の勢いを受け止めきる事は集積地さんには出来なかったらしい。私と集積地さんはお互いに抱き合ったまま……もとい、お互いしがみついたまま、海に落下してしまった。

「もがががががが……」
「い、息がががが……」
「「あばばば」」

 二人で海の中でガバガバともがきつつ……だけど二人くっついたまま、私たちはなんとか海上に顔を出せた。

「ぷぅっ!?」
「ぷあっ!?」

 二人で顔を見合わせる。……二人とも海に入ってしまったためにボットボトに濡れてしまってる……しかも集積地さんは、落っこちたときの反動のせいか、メガネが斜めにずれている。

「……ぷっ」
「……んくっ……笑う……な……」
「集積地さんこそ……ぶふっ……」
「くくっ……締まらないな私達は」
「締まらないのです……ぶっ……」
「「あはははははははははは!!!」」

 たまらず二人で笑ってしまった。やっと会えた。本当の意味で、やっと集積地さんと再会できた……。

「はぁー……イナズマ。約束を果たしに来た。会いに来たぞ」
「はいなのです! 待ってたのです!!」
「怪我、大丈夫だったようでよかった」
「集積地さんも大怪我してたのです。大丈夫だったのです?」
「お前に比べればまだ軽傷だ! それで傷も癒えたし、みんなで遊びに来た!」
「ここまでの大世帯でこの鎮守府まで来て大丈夫だったのです?」
「大丈夫だ。お前たちが教えてくれた」

 そう言って集積地さんは、私と一緒
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