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テキはトモダチ
15. あいつらの目的 〜赤城〜
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じって、懐かしい顔がいた。

「青葉さん!」
「ぁあ! 赤城さん! 恐縮です!!」

 随分と長い間姿を見せてなかった青葉さんだ。提督からの極秘任務を受けていたということだったが……長いこと会ってないような気がしてなんだか懐かしい気持ちになり、つい青葉さんに駆け寄って手を握っていた。

「青葉さん! 今までずっと忙しかったんですか?」
「恐縮です! 青葉、司令官からちょっと特別任務を受けてまして……それで、こっちに顔を出せなかったんです」
「ずっと鎮守府を離れてたんですか?」
「はい。それが思ったよりも長引いてしまいまして……集積地さんの帰還にも間に合わず……恐縮です」

 そう答える青葉さんの目は、少し寂しそうに見えた。私はつい反射的に提督の顔を見た。

「……」
「う……睨まないでよ……おれだって反省してるんだから……」

 思いっきり怒気を込めた目で。同じ鎮守府の仲間が鎮守府を去るときに青葉さんが間に合わなかったことは、正直に言って納得がいかない。

「提督……こういうことはちゃんと便宜を図ってあげないと……」
「は、反省しています……」
「まぁそれはいいとして……青葉さん、もう鎮守府には戻るんですか?」

 任務がもう終わったのだから、青葉さんはここにいるんだろう……私はそう思ったのだが、青葉さんの任務は私が思った以上に大変らしい。青葉さんは困った笑顔を浮かべると、首を左右に振っていた。

「……いえ、青葉の任務はこれからが本番なんです。鎮守府に復帰するのは、まだ先になりそうです。それに今日も、もう行かないと……」
「そうなんですか……」
「恐縮です」

 残念だ。今晩は久しぶりに青葉さんと話が出来ると思ったのに……だけど青葉さんの任務って何だろう。嫌なこととか変なことに巻き込まれたりしてなければいいけれど……。

「でも、任務が終わったら鎮守府の艦隊には必ず復帰しますから! それまで待っててください!!」

 私の些細な不安は、こう言う青葉さんの表情でかき消された。彼女はとてもいきいきとしていて、やる気と使命感に満ち溢れた真っ直ぐな瞳で私を見据えていた。このような瞳を宿す子が、妙なことに関わっているはずがない。

「わかりました。では青葉さん、任務完遂まで頑張ってください!」
「恐縮です! 赤城さんも頑張ってください!」

 青葉さんはそういい、私と大淀さん、そして提督に元気よく敬礼をした後、執務室を出て行った。随分と久しぶりに会ったのに、嵐のように去っていったなぁ……。

「提督、青葉さんに課せられた任務って一体何ですか?」
「んー……まぁ、俺の個人的な興味というか何というか……」
「?」

 青葉さんの任務は、どうも司令部からの正式な命令ではなく、提督の指示
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