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神剣の刀鍛冶
EPISODE06勇者X
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「ふう、会議がすっかり長引いちまったな」

軽く愚痴をこぼして、凱は空を見上げた。
気が付けば、月が最高点に達していた。
明日はいよいよ『市』がはじまる。独立交易都市の収入源となる一大企画の為の打合せをしていた。設営や催しいったイベントのほかに、緊急時の為の騎士団配置について入念に話し合っていた。自衛騎士団配置の理由として、表向きは「災害時及び要人護衛」とされているが、実際は「魔剣の護衛」なのである。
先日、アリアを狙う3人組の刺客から凱が守っていたのと同時期に、セシリーら別班の自衛騎士団は魔剣を狙う野党の討伐に遠征していた。皮肉にも、セシリー側は偽物で、凱側は本物だということを、他の団員は知らなかった。騎士団内部からの情報漏えいを防ぐ為と思ったのが、どうやら裏目に出たらしい。
会議はまず、騎士団全員で事件の周知と今後の対策を発表、そのあと団員の各配置とその役割を伝えて解散となった。
ここまでは、「実際に魔剣を奪いに来るであろう悪魔」を想定しての議題だった。団員に己の使命と責任に専念してもらうため、会議は夕刻をもって解散となった。
次に頭を悩ませたのは、「黒衣の男」についてだった。
市長のヒューゴー=ハウスマン。3番街自衛騎士団団長ハンニバル=クエイサー。彼らを上司とする獅子王凱の3人のみで話し合いが行われた。
黒衣の男。その存在だけはほかの団員にも伝えてある。目撃次第、すぐに情報をこちらに回してもらうために、それ以上の情報は与えていない。

――時は数刻前までさかのぼる――

「黒衣の男……ですか?」

その名称を再確認するかのように、凱は二人に聞き返した。

「ああ、我々が追いはぎの討伐へ遠征に行って知り得た名だ」

「魔剣を餌に黒衣の男をおびき出し、一切の禍根を絶つ!!」

決意を秘めたかのように、禿頭の上司は言った。

「団長……」

そんな決意に感応するかのように、凱もまた団長の気持ちを察した。凱もまた、団長と同じように、できれば犠牲は出したくないと思っていた。しかし−−

「だが、犠牲は免れない。それでも市民を守る。我々が抱える永遠の矛盾という奴だ」

自嘲気味に、ハンニバルが笑った。それは、どこか悔しさも含まれているように思えた。

「……その責任は私がとりましょう。その為に何としても黒衣の男を捕えなければ」

ヒューゴーも、その決意に揺らぎはないようだ。
独立交易都市の市長と立場としては、これが騎士団に、そしてこれから出るであろう犠牲者にできる最大限の償いなのだろう。凱はそう思わずにはいられなかった。

(叶うことなら……目の前に映る全てを救いたい)

凱の唇が、硬くぎゅっと縛られる。その仕草に、誰も気づくことはなかった。
このIDアーマーを使わずにすめば、それに
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