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テキはトモダチ
8. 夜の密会 〜電〜
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「……ごちそうさまでした」

 満足気に手を合わせて今日の食事に感謝の意を述べた赤城さんの傍らには、6杯のからっぽのお櫃が並べられていた。

「……」

 そしてその傍らでは、死んだ魚の目をした司令官さんが、口から自分の魂を漏らしていた。

「……さて、お腹もいっぱいになったことですし、午後からはまた演習しましょうか天龍さん」
「マジか姐さん……午前中に散々対空演習したじゃねーか!」
「ええ。そしておかげさまで天龍さんの対空戦闘に関しては練度もバリバリ上がっていますよね」
「だったら今日ぐらいは対空演習は休ませてくれてもいいんじゃねーか? 俺もたまには砲雷撃の演習もしとかねーと……ここ最近、対空機銃しか撃ってねぇ」
「なるほど。では青葉さんと球磨さんも交えて、軽巡と重巡のコンビで私と鳳翔さんに挑んでもらいましょうか」
「な……」
「私も演習だと思わず、沈めるつもりで攻めますよ。その代わり、普通の演習では体験出来ないハイレベルな演習が出来ます」
「うーん……」
「私達を攻撃するわけですから、砲雷撃の練習にもなりますし」

 集積地さんが資材集めに協力してくれるようになって出撃が無くなった結果、私たちの演習の時間が増えた。最近では私たちは遠征で資材を確保してくる時以外は、もっぱら演習で練度を上げる日々が続いている。

 特に赤城さんと天龍さんが演習に燃えていた。話に聞くとどうやらあの中将さんが来た日、赤城さんは最新鋭の海外の艦娘さんに会い、その人に挑発されたらしい。同じ艦娘だから本気の潰し合いになることはないだろうが……それでもなぜか赤城さんは危機感を覚えたらしく、その人との戦いに備えて自身の練度を上げているという話だった。

 そして、その赤城さんが演習相手として選んでいるのが、同じく自身の練度を上げたい天龍さんだった。こうして二人は利害が一致し、毎日毎日お互いを潰し合う演習をしている。おかげで二人の練度はうなぎのぼりだと司令官さんは言っていた。

「……わかった! んじゃ青葉と球磨には俺の方から誘っとく! 姐さんは鳳翔さんと話をつけてくれ」
「わかりました。ではチーム戦ですね」
「おおよ。こうやって少しずつでも練度を上げてきゃ……いつか俺も……!!」

 両肩からやる気をメラメラと燃え立たせつつ、二人はお昼ごはんのあとの食器をお盆に乗せて、食堂をあとにした。

「……」
「あのー……司令官さん?」
「ん? どうしたの?」
「気のせいか……最近、司令官さんの元気がない気がするのです」
「ああ……」

 そしてそんな赤城さん天龍さんの、満ち溢れたやる気や力への渇望・そして練度に反比例して……なんだか司令官さんが、日を追うごとに元気がなくなってきている気がしていた。今日も今日で司令官さんは、赤
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