札の切り方
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「戦闘中止だと!馬鹿な、そのような事」
「残念ながら事実だ。オープンで見ただろう?」
二機は互いに距離をとり、一時戦闘を中断。
宙域のプラント側は混乱しているようで、対応を纏められないでいる。
「イザークここは退却だ。母艦から信号弾が撃たれた」
「くっ…!!」
「アスラン…」
ニコルとディアッカも退却を開始。
正し、アスラン・ザラにはご足労願った。
これはクライン嬢からの、オーダーだったからである。
「ちぃ、つくづく厄介だな。あのお嬢さんは」
クルーゼは舌打ちをし、混乱の原因である人物に苛立ちを露わにする。
まさかこの様な形で、戦闘が止められ。足つきに結果的に有利に働く、状況を生んだ事を感じ取ってだ。
「ひゅ〜凄いねあの嬢ちゃんのネームバリューは」
「ムゥさん。でも…」
「俺達にとっても、このまま月まで連れていくのは相当リスキーなのさ」
「その通り。だからここで彼女という札を切ったんだ」
恐らく月軌道のハルバートン提督に情報が届けられ。
既にある程度の部隊数を伴って、こちらに向かっているはずだ。
それを見越した今回の作戦は、成功と言えるだろう。
アークエンジェルとクルーゼ旗下の母艦では、通信が行われていた。
『そちらの要求。つまり君たちの現宙域の離脱はわかった。
だが、本当にラクス・クライン嬢はいるのかね?』
ブリッジに移るモニターには、仮面をつけた怪しい男性。ラウ・ル・クルーゼがいた。
対するアークエンジェルの応対相手は、ラミアス艦長。
「それはこの後、貴方方のパイロットである。アスラン・ザラに確かめて頂きます。
無論貴方方が、クライン嬢の命より我々の抹殺を選べば。どうなるでしょう?」
『それは挑発かな?我々がその様な事をすると?』
「いえ、ただの忠告です。彼女の意に反する行動をすれば、危ないという…」
『……忠告感謝する』
その最後の言葉と共に、モニター通信は終了する。
無論クルーゼも、最初は渡された後。すぐさま攻撃をしかけるつもりだったが
相手の艦長の言葉。彼の脳裏での計算では、罠が張られている事をはじき出していた。
鵜呑みにした訳ではなく、自信がある目。そして告げた言葉がクルーゼを警戒させていたのだ。
――――――――――――――――
アークエンジェルのハッチは開けられ、イージスから出てくるアスラン。
彼の目の前には、先ほどまで戦っていた。ストライク、そして三人と戦っていたアスカローネ。
二つの機体と、そこから出ていた二人のパイロット。
キラとヨハンを見つける。そして近くにいたラクスも。
「アスラン!」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ