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Lv.9999億の骸骨(勘違い物)・ω・`)ノ
Lv31「不死王の世界征服〜終〜」
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真っ暗な空、漂う小さな雲達。
ワルキュラは、それらを見上げながら――俗世間から離れ、自然の雄大さに浸っていた。

(空は広いな……大きいな……。
俺の心を癒してくれる……黒と白の縞々な光景が美しい……)

今日は公務がない特別な日。
愛するルビーと一緒に、水着を着て、プライベートビーチの浜辺で余暇を楽しんでいる。
小さな身体を包む、黒と白の縞々模様のセパレートな水着が、とっても美しかった。
時間を無駄に浪費する感覚がたまらない。
人間王国を併合して忙しい時期だが、ルビーと一緒に、夜の時間を遊びに消費するのは最高だった。

「ワルキュラ様〜、砂の城って作るの大変ですね」

そんな安らかな一時を――文明の利器が邪魔をした。
異次元(ドリームワールド)に格納した衛星携帯電話が甲高く鳴り響いている。
携帯のせいで、何処からでも仕事の連絡が入ってくるのがデメリットだ。

(き、緊急の仕事かっ……!?
何か大問題が発生したのだろうか……!?)

嫌な気持ちになりながら、ワルキュラは携帯電話を取り出して、応答する。
電話番号は首相官邸だ。つまり、ホネポ首相からのお知らせ。
緊急の案件だから、きっと碌でもない内容なのだろう。
しかし、耳を塞いでも居られない。ワルキュラは大帝国の立憲君主なのだ。
首相にほとんどの仕事を放り投げているとはいえ、やるべき事はまだまだ多い。
通信のボタンをポチッと押し、頭蓋骨に携帯を当てる。

「……俺だ。どうしたホネポ?」

「ワルキュラ様、ご報告があります」 感情を感じさせない声だった。

「きっと、とんでもない、内容なのだろうな……?」

「やはり……お分かりでしたか。
ニンゲン地方で行ったサムレイによる死傷者数が判明したのであります。
死者200万人、負傷者500万人だそうです」

「ふむ……え?サムレイに巻き込まれて200万人が死んだ?
事前に避難勧告したのに?」

「はい、真に残念な結果になりました」

全く残念そうではないホネポの声を聞き、なぜ、200万人もの人間が死んだのか、ワルキュラは考えた。
避難勧告をしても、大勢の人が死に、そして負傷した現実。
答えは簡単だ。旧人間王国の腐敗が、人間に絶望の感情を植えてしまったに違いない。
あの国の平民は、収入の9割が、税金と必要経費で綺麗さっぱり消えて、土地持ち農家でも食べていくので精一杯だと聞く。
その状態で飢饉が発生して、将来が超不安になってしまったから、生き続けるのを諦めてしまったのだろう。
これは明らかにワルキュラの過失ではなく、王国の指導者達が悪い。

(ふぅ……やはり人間王国は滅んで当然の国だったのか……)
しかし、どうやって、実際に自殺した自殺志願者200万人を更生させよう。

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