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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
二刀流
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う言った直後、コーバッツの体は、神経を(さか)()でするような効果音と共に無数の断片となって飛散(ひさん)した。余りにもあっけない消滅に、アスナが短い悲鳴を上げる。

リーダーを失った軍のパーティーはたちまち瓦解(がかい)した。喚き声を上げながら逃げ惑う。既に全員のHPが半分を割り込んでいる。

「ダメ……ダメよ……もう……」

絞り出すようなアスナの声に、キリトはハッとして横に向いた。咄嗟に腕を掴もうとする。

だが一瞬遅かった

「ダメーーーッ!!」

絶叫と共に、アスナは疾風の如く駆け出した。空中で抜いた細剣と共に、一筋の閃光となってグリームアイズに突っ込んでいく。

「アスナッ!!」

キリトは叫び、やむなく抜剣(ばっけん)しながらその後を追った。冷静さを保っていた俺も、腰の後ろに装備していた片手剣を抜剣してキリトに続く。

「どうとでもなりやがれ!!」

クライン達も雄叫びを上げつつ追随(ついずい)してくる。

アスナの捨て身の一撃は、不意を突く形で命中した。だがHPはろくに減らない。

グリームアイズは怒りの叫びと共に向き直ると、猛烈なスピードで斬馬刀を振り下ろした。アスナは咄嗟にステップでかわしたが、完全には避けきれず余波を受けて地面に倒れ込んだ。そこに、連撃の次弾が容赦なく降り注ぐ。

「アスナーーーッ!!」

キリトは身も凍る恐怖を味わいながら、必死にアスナと斬馬刀の間に身を躍らせた。ギリギリのタイミングで、キリトの剣が悪魔の攻撃軌道をわずかに()らす。途方もない衝撃。

(こす)れ合う刀身から火花を散らして振り下ろされた巨剣が、アスナからほんの少し離れた床に激突し、爆発音と共に深い穴を穿(うが)った。

しかしここで、俺が悪魔に接近する。

「ネザー、下がれ!!」

叫ぶキリトに構ってる暇もなく突っ込んで行く。

「俺がやる!!」

珍しく叫び声を上げ、自分が倒すと主張した。俺は片手剣を構え、悪魔の腹に剣技を叩き込んだ。

「グルルァァアアア!!」

雄叫びを上げたグリームアイズは瞬間的に俺を睨み付け、致死と思える圧倒的な勢力で、剣が次々と襲い掛かってくる。

グリームアイズの使う技は基本的に両手用大剣技だが、微妙なカスタマイズのせいで先読みがままならない。俺は全神経を集中して防御に()っするが、一撃の勢力が凄まじく、時々体をかすめる刃によってHPがジリジリと削り取られていく。

視界の端では、クラインの仲間達が軍のプレイヤーを部屋の外に引き出そうとしているのが見えた。だが中央で俺とグリームアイズが戦っているため、その動きは遅い。

とうとう敵の一撃が俺の体を捉えた。瞬時に両腕の籠手でどうにか悪魔の大剣による一撃を受け止めて
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