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嫌われの忌み子あれば拾われる鬼子あり
第1章 第5話 天才と戦車
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石畳と石を積み上げた壁で出来た牢獄にルイスはいた。鬼の一族がほとんど滅亡し、自ら命を絶とうとした時怨霊の恩恵の力によりその行為は無駄に終わりこうして捕まった。

「兄さん……僕は……」

ルイスは石畳の上に寝転がり、知り合いを無くし、親を無くし、兄さえ無くしたルイスは完全に無気力状態へと陥った。
その時、牢獄の角から黒い靄のようなものがルイスに近づいてくる。その靄が少しずつ形を形成していく。それはあらゆる文献に登場し、鬼の歴史の中の最強と謳われた伝説の鬼。

「サイグリエ……アカツキ……様」

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隻眼、隻腕、隻足、隻耳、外部から見えている2つあるものが片方欠けている男が語ったのは、『チャリオット』の騎士である事。つまりは『タロット』の騎士の1人。

「吾輩には…否、吾輩らには1つ目的がある。吾輩らに反抗の意思を示し、滅亡させる事を成し得なかった鬼を始末することだ」

「つまりは俺を、ないしはルイスを始末するって事でいいんだな?」

「相違はない」

その言葉を聞き、レイが1歩踏み出した時、ガイアは目を伏せて言葉を繋げた。

「ただ、吾輩個人的な目的もある。そうであろう?忌々しき恩賞を身に受けし我が娘、マリー・セレスティアよ」

「なに?」

その言葉にレイは足を止める。そのままレイは空気を震わせるほどの魔力を上げた。
それは、その場にいる全員の身を震わせるほど冷たい魔力の衝撃波だった。
それを受けてガイアは伏せていた目を開ける。

「どうして君がそこまで激昴する?君の情報を入っている。二重人格であるうちの片割れ、ほとんど表に出ず身体の持ち主が危険に陥った場合に良く出てくる兄の人格。そのような君がなぜ?君と他の人物達は数分に会ったばかりであろう?」

ガイアがそう訪ねた時その異変に気づく。

「ウルアグラ!!」

その詠唱と共に人1人が飲み込まれるほどの火球がガイアに向かっていく。

「正直こんな攻撃が『タロット』の騎士と呼ばれてる男に通用するとは思えないが、一矢は報いたいからな」

右腕を突き出したリクに、右腕が赤く燃えているクリスだった。
リクが黒の魔法の1つである相手の動きを止める魔法を行い、クリスが紅の魔法で火球を飛ばし攻撃していた。

「いくら父親でもよぉ、自分の娘捨てといて随分な物言いじゃねぇか。俺らの妹分を侮辱するような真似は気に食わねぇだよ」

「侮辱か、吾輩は別に侮辱などしていない」

ガイアの周りはクリスの魔法の影響で燃えているが、ガイアはその中で調子を崩すことなく話を続ける。

「吾輩は生まれた時から身体にある2つあるものが片方欠けている状態だった。その影響で疎外を受けていた。そのような
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