暁 〜小説投稿サイト〜
ダタッツ剣風 〜悪の勇者と奴隷の姫騎士〜
第三章 贖罪のツヴァイヘンダー
第40話 王宮の死闘
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 幾度となく交わる剣は金属音を響かせ続け、その持ち主達は絶えず戦う場所を変えていく。
 廊下。練兵場。庭園。あらゆる場所で剣を振るい、互いが抱える想いのために戦う。そこに他者が踏み入る余地などなく、少女騎士と姫騎士は固唾を飲んで見守るばかりだった。

 刃をぶつけ合い、鍔で競り合う。それを繰り返す彼らは、やがて食堂へと戦いの場を移していった。
 ヴィクトリアは無数にある椅子の中の一つを蹴り飛ばし、牽制としてダタッツにぶつける。それを盾でパリィしながら接敵する彼は、追撃の一閃を振るうが――彼女は素早く跳び上がり、テーブルに乗ってそれをかわした。
 高所を取ったヴィクトリアは好機と見て剣を振り上げ、弐之断不要の体勢に入る。だが、それを読んでいたダタッツは盾を装備している左手で椅子を掴み、彼女の眉間に投げつけた。
 その不意打ちを咄嗟に切り払う頃には――すでにダタッツもテーブルの上に飛び乗っていた。

「ちっ!」
「――ッ!」

 ヴィクトリアは素早く踏み込んで斬りかかるが、ダタッツは容易に盾で受け流し、反撃の一閃を振り下ろす。女騎士はそれを横に飛んで回避し、隣のテーブルに飛び移った。
 すかさずダタッツも、両足に力を込める。その様子から、こちらに飛び移るつもりと睨んだヴィクトリアは、再び牽制のために椅子を投げつけた――が。

「――飛剣風!」
「ぬっ!?」

 待っていたのは、飛び移ると見せかけての飛剣風だった。投げ付けた椅子は真っ二つに両断され、その先から剣の切っ先が迫ってくる。

「ぬ、ぐ!」

 反射的にその一閃を勇者の剣で受け止めた彼女だったが、手に力を込めるのが遅れたのか――それほど強力な攻撃ではなかったにも拘らず、勇者の剣を取り落としてしまった。
 それを目撃したダタッツは間髪入れず、ヴィクトリアに覆いかぶさるように飛び掛かる。こうして取り押さえることが狙いだったのだと悟った彼女は、身を翻して狙いを外し、彼の顔面を強烈に蹴り上げる。

「ぐ!」

 重鎧に固められた脚での蹴り上げを喰らい、ダタッツは空中で半回転しながら転倒し、頭を床に強打する。その隙に頭を踏み潰そうとヴィクトリアは足を上げる――が、ダタッツの反応はそれよりも早かった。
 両足を上げ、勢いよく振り下ろす。その動作から生まれる反動を使い、ダタッツは仰向けの姿勢から前方へ向かい、弾かれるように転がって行く。ヴィクトリアの踏みつけを間一髪でかわした彼は、そのままテーブルの下を転がってくぐり、その先にある自分の剣を拾い上げた。

 先に武器を拾ったのは、ダタッツ。ヴィクトリアもすぐに勇者の剣を拾うだろうが、それよりもダタッツが次の攻撃に入る方が速いだろう。
 勝負はついた。誰もが、そう思った矢先。

「ぬぁあッ!」
「……なにっ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ