第6部 贖罪の炎宝石
第2章 カトレア
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魔法学院を出て二日目の昼。
ラ・ヴァリエールの領地に、ウルキオラ達は到着した。
が、しかし、屋敷に着くのは夜遅くとのことであった。
ウルキオラはずいぶんの広大な領地をもっているのだな、と少し驚いた。
日本で例えるなら、『市』ぐらいの大きさだろう。
ウルキオラは、ルイズは本当に大貴族なのだと思った。
ルイズの貴族っぷりは、領地に入ってすぐ、たっぷりと見せつけられた。
とある旅籠で一行は小休止することになったのであるが……。
ルイズたちの馬車が止まったと同時に、先についていたシエスタは馬車から降りてたたた、と駆け寄った。
きちんと召使としての教育を受けていたシエスタは、ルイズたちの馬車のドアを開けた。
もちろん、ウルキオラはそんなことをする気など全くなかったため、一人静かに降りると、手に持っていた斬魄刀とデルフをそれぞれ差した。
そんな風にしていると、どどどどどどどどど!と旅籠から村人が飛び出てきた。
村人たちは馬車から降りてきたルイズたちの前で帽子をとると、
「エレオノール様!ルイズ様!」
と口々に喚いてペコペコ頭を下げ始めた。
ウルキオラに対しても、いずれ名のあるお方に違いないと村人たちは考えたらしい。
同じように頭を下げる。
「俺は貴族じゃない」
「とはいっても、エレオノール様かルイズ様のお家来様に代わりあるめえ。どっちにしろ、粗相があってはならぬ」
と言って、素朴な顔をした農民たちは頷き合う。
ウルキオラは『家来』という言葉に少し不快感を覚えたが、何も言わなかった。
そんなこんなで「背中の剣をお持ちしだすだ」だの「長旅でお疲れでしょう」などと騒いで、ウルキオラの世話まで焼こうとする。
エレオノールが口を開く。
「ここで少し休むわ。父様に私たちが到着したと知らせて頂戴」
その声で一人の少年が馬に跨り、速駆けですっ飛んでいった。
一行は旅籠の中に案内された。
ルイズとエレオノールがテーブルに近づくと、椅子が引かれる。
二人はさも当然のように腰かける。
ウルキオラは少し離れた壁に寄りかかり、ポケットに手を入れた。
そんな態度のウルキオラをエレオノールは怪訝に思った。
「ちょっと、あなた」
「なんだ?」
ウルキオラは目線も合わせずに答える。
そんなウルキオラの態度に、エレオノールはさらに怪訝に思い、機嫌を損なう。
エレオノールの隣に座ったルイズとその後ろに控えているシエスタは気が気ではなかった。
「その立ち方はないんではなくて?それに、言葉遣いもなっていないようね」
エレオノールは低く唸るように言った。
「貴様に言われる筋合いはない」
そ
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