宇宙を翔る龍
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スイール郊外、展開されていた連邦軍の部隊。
「んん!?各員、部隊の安否を確かめろ!」
「はっ!」 「部隊に損害は奇跡的にありません!…ですが」
そう、彼らの眼前には街は消え去り、巨大なクレーターが残っているだけだった。
部隊の者たちも、既にアロウズへの疑念を止める事ができない程だ。
「我が部隊の人員を格納庫に集めろ。早急にだ」
「はっ、ブリッジより各員へ通達する。至急総員、格納庫に集合せよ」
セルゲイは、ヨハンとの会話でこのメメントモリの存在を知っていた。
そして、知っていてもヨハンが何故動かないのか、軍内部の疑念についても聞くと。
「本来、軍事は政治の手段であり。政治を司る者は国民の代表であり、国において戦争・平和の問題は最重要課題だ。
だからこそ、軍という暴力を判断・決定する必要がある。いわば、国民は今の現状を生み出した責任があるわけだ」
「仮に、ここで我々が大量殺戮兵器を壊しても、彼らは何か起きても
FFが何とかしてくれるという受動的な姿勢のままになる。
だから、国民の怠慢の結末を知らなければならない。人は本質的には、自ら体験しなくては理解できないのだ。
しかし、軍人も国民の一人。貴方たちが、今の連邦やアロウズを間違っていると思い政治的行動を行うなら
今の連邦による軍務を辞し、改めて動くべきだ。と考えるが」
そして、勝てる目算を立ててから行動する様言われた。
今のカタロンの様に、勝てない戦いを幾ら行っても意味がない。
既にセルゲイの腹は決まった。ヨハンはFFのトップ(総帥・大将)として、部下の行動に対する責任を持つ覚悟で動いている。
セルゲイは、そんなFFとの合流を始めようとしている。
「諸君、現在我々の目の前の出来事はアロウズによる衛星兵器による攻撃だ」
セルゲイの言葉に俄かに騒がしくなる部隊の人員。
咳払いで注意を促す。
「そして、アロウズの行いに疑念を抱く者も多いだろう。だが軍人が政治に暴力をもって介入する事は軍機を乱す」
言葉を区切ったセルゲイは、軍服を脱ぎ目の前に捨てた。
「私は本日只今を持って、今の地球連邦政府平和維持軍より除隊する」
「な、大佐!それは」
セルゲイの言葉に驚きを隠せない兵士たち。
「本来なら戦時の今、軍から脱する事は許されざる事だろう。だが、今の政府に軍人として従う事はできない!
ならば、情報統制で黙殺されてきたアロウズの蛮行の是非を
軍人ではなく、一人の国民として国民に問う。お前たちの守りたい国家とは何なのか、今一度考えてくれ」
その、言葉に続々と軍服を脱ぎ。携帯していた銃を置いていく兵士。
「お前たち…」
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