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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第二十話 軋轢
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を変えた陸奥が武蔵の手を尾張から無理やりに引き離し、大和が武蔵を羽交い絞めにし、長門が間に割って入った。
「殺す気か!?」
「放せ、放してくれ!!」
武蔵が羽交い絞めにされながらもがき叫んだ。
「お前たちもこんな暴言を放置しておいていいのか!?」
「それとこれとは違う。どんな問題ある発言であろうと暴力は駄目だ。」
その言葉とは対象に長門のこぶしも震えていた。
「お言葉ありがとう。秘書官殿。」
尾張はスカーフをなおしながら冷ややかに言った。顔色は失せていたが、その眼の鋭さと冷たさは一層増していた。
「でも、無理することはないわよ。私の言葉がどんなにあなたたちを刺激したか、わからないわけじゃないから。」
「だったらなおさら許すことはできん!!」
「なら、どうする?1対1で勝負する?いいわよ。言っておくけれど、砲撃戦はともかく、私の艦載機隊に攻められたら、いくらあなただってひとたまりもなく轟沈するわ。」
「貴様!!」
「やめろ!!」
長門が叫んだ。
「もういい。尾張、お前はすぐに会議室から出ていけ。命令だ。今すぐにだ!!!」
「仰せのままに。秘書官殿。」
尾張は冷たい一瞥をくれると、会議室からさっと抜け出していった。
「あの、バカ艦娘!!」
武蔵が憤懣おさまらない様子だった。
「紀伊型空母戦艦だと?新鋭艦だと!?くだらん!!少しばかり性能が良いからと調子づきおって!!長門、なぜ止めた!?あいつのねじくれた心を覆っている貧弱な胸部装甲ごと、46センチ砲で吹き飛ばしてやったのに!!」
「できることなら私だってそうしたかったさ。無能呼ばわりされて気分のいい者などいないからな。だが、あいつの言っていることも正しいものがある。」
「正しいだと?」
「ああ。確かに最終決戦で沖ノ島棲姫にとどめを刺したのは我々戦艦部隊だ。だが、それは前線の水雷戦隊、重巡戦隊、そして前衛艦隊の働きがあってこそだ。それに比べて我々は後方で待機していたことは事実だったし、投入は最終局面だったからな。」
それがどうしたというのだ、と武蔵は憤然とした顔色になった。
「当たり前ではないか。艦隊決戦は万全の状態で臨むべきだ。それは長門、貴様とて同じ意見だろう?」
「それはそうだが・・・・。」
「戦艦には戦艦の働きがある。それを可能にするのが前衛艦隊の仕事であり、水雷戦隊の仕事であり、重巡戦隊の仕事ではないか。」
「私はあまりそうは思わないけど・・・。」
大和が遠慮がちに意見をさしはさんだ。その隣で陸奥も同じだというようにうなずいて見せた。
「それじゃ私たちが後方に待機して最終局面での投入が当たり前のように聞こえるわよ。」
「では大和、そして陸奥は前哨戦で消耗し、投入すべき時に満足な働きができないでもいいというのか?」
「それは・・・・。」
「悪
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