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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編  第4話「賭退(チャンス)」Cパート 前半
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くのを辞めた。
「くそ、逃げたられたか。まぁいい。ゆっくり仕留めるか」
アルベルトは、両手を操縦レバーから離し、腕を伸ばした。
「ふー。それにしても、今のは中々良かったぜトーシローにしちゃーよう」



あれから天桐のシャーマンは住宅街の中を走り、目立ちにくい裏路地に隠れて居た。
「なんとか、逃げ切れたか」
ここまで逃げるのに精一杯だったのか額は汗で溢れていた。
「あちー、この中、段々暑くなったな」
手で額の汗をふき取ると、モニターにある自車の現在の状況を確認した。
まず、車輌のダメージや残りの燃料と弾薬等が表示されている。
今だパンターの攻撃をまともに受けていないとはいえ。
もし、悪い所に命中すれば一発で撃破されるだろう。
一方、パンターの方は装甲の厚さに傾斜は、こっちが撃っても弾かれる上に中々効かない。
もし、普通に撃ち合ってもこちらの方が負ける。
(くそ、このままじゃ勝てねーよ)
天桐はただ悩むしかなかった。
ビィービィ―
「ん?」
突然、アラームが鳴り響いた。
画面を見ると通信回線が受信と表示していた。
「通信回線?」
画面に表示されたボタンを押すと
「よぉー。どうだ、俺の作ったゲームは?」
アルベルトの顔が画面に映り彼の声が聞こえた。
「え?・・・あぁ、すげーよ」
「だろ。いや、我ながら凄いものを作ったと思ってるさぁ」
「自慢話なら通信を切るぞ」
「いや、待て待てって。お前に話があんのさ」
「話?」
「あぁ、もうお前自身気付いていると思うが、この戦い。俺の方が有利で分かってるだろ」
「そうだな」
「だから、そんなお前に良い提案があるんだよ」
「提案?」
「もし、今ここで参りました。僕の負けです。許して下さいって頭下げて言えば。何でも言うことを聞くって約束なしでこのまま、家に帰ってもいいぜ。勿論、戦車は諦めてな」
アルベルトは勝つことを確信した上で天桐に自ら負けを認めさせようと言ってきた。
挑発まがいな言い方は、相手を馬鹿にして調子に乗っているのだろう。
だが、アルベルトの言うことは事実だ。
今のままではアルベルトの勝利は間違いないだろう。
天桐はアルベルトに比べ、ゲームの腕・戦車・知識で負けている。
更に、負けたらアルベルトの言うことを聞くという条件がある。
普通なら、ここで負けを認めて諦めることが賢い選択なのかもしれない。
「分かったよ」
天桐は答えた。
「よし、じゃあ」
「お前に絶対勝つ」
「・・・」
「話は終わりだ。」
アルベルトは、一時黙った。
「そうか、・・・分かった。じゃあ、本気で潰しにいく」
アルベルトはそう言うと顔付きが少し変わり、
ブチ
通信が切れた。
しばらく、沈黙となると
「フーーー」
天桐は息を吐いた。
そして
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