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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#12
DARK BLUE MOONW 〜Harmit Tracer〜
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男に会ったコトが在るわ」
「『スタンド使い』 と会ったコトが在るんですか?」
 驚く場所が違うとは想ったがそれは無視して花京院はマージョリーに問う。
「ええ、自分の身体をロープのようにバラバラに出来る処なんか良く似てるわ。
そう言えば確かに、その能力のコトを 『立ち向かうもの(スタンド)』 とか
呼んでたような気がするわね。今の今まで忘れてたけど」
「その人は、今?」
 幽波紋(スタンド)も “波紋” の一種、その練度如何に拠っては
通常の人間を遥かに超える 「生命力」 を宿すコトが出来る。
「死んだわ。殺されたらしいわよ。私と会って丁度3年後に」
「そうですか……」
 素っ気なく告げる美女に対し、眼前の美男子は名も知らぬその男を憂いた表情になる。
 己と “同属” という事が、そんな表情を生むのだろうか?
 自分は、自分以外のフレイムヘイズが生きようが死のうが
きっと眉一つ顰めないだろうというのに。
 しかしマージョリーは、そんな花京院の態度に理不尽な怒りを感じた。
 理由はよく解らないが、コイツのそんな顔は見たくなかった。
「ほら! そんな100年前のコトより今は 『仕事』 よ!
さっきのバカが要らない真似したコトで、余計に状況が差し迫ったわ。
物見遊山(ものみゆさん)でここに集まる徒が、この先何匹襲ってくるか解ったもんじゃない」
 美女の言葉に押し黙っていた美男子は冷水をブツけられたように顔を上げる。 
「いつものパターンだな。他の徒ブッ殺してる間、
ラミーのクソヤローに存在嗅ぎ付けられてまんまと逃げられる。
毎度毎度本末転倒もいいとこグゴォッ!」
 堅い 『本』 の縁に、ソレより硬い拳骨を叩き落とされて悶えるマルコシアスを
後目に花京院はマージョリーに問う。
「つまり、時間をおけばおくほど、
ラミーを取り逃がす可能性が高まるというコトですね?」
「そーゆーコト。私の存在が気取られてなくても
他の徒がワラワラ集まってきちゃ意味は同じでしょ?
あのクソヤローは他者と一切交わらない亡霊みたいな生き方してるから。
逃走する際に “自在法” を遣うかもしれないわね。
無論生きてる人間を何百人もブッ殺して」
「自分がただ、逃げる為だけにですか……」
「……!」
 そう言って自分を見る花京院の瞳が、いつのまにか鋭く尖っている。
 普段の、見る者全てに安らぎを与えるような彼の表情からは
俄に想像しがたい程の変貌振り。
 強い意志と信念、そして、ソレに反する者に対する圧倒的な冷徹さ。
 そのギャップが、まるで己の分身を視ているような感覚が、
マージョリーの心の裡をゾクリと震わせる。
「解りました。その 「問題」 を解決出来る人の所へ案内しましょう。
出来ればあの人の手を煩わせ
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