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=入試編= シンロセレクト
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ら『じゃあ道場は休むといいよ』って笑顔で言いましたよね?その間来れなかったけど、その分の月謝は抜いてくれるって話じゃなかったですか?」
「やだなぁ、休む休まないは君の自由だけど入会している以上は毎月お金払うに決まってるじゃないですかぁ。……………今月ちょっと厳しいんです。貴方の月謝を頼みの綱にしてたんです。これダメだと先生一日を水道水に砂糖と塩を混ぜたやつで乗り切らなきゃならないくらいキツイんです。私、貴方の恩師でしょ?ね?」

 ……………。

「はぁ………一応聞きますけど………なんでそんなに懐が厳しいんですか?前は確かルンバ買いたかったからとかほざいたし、その前は何?冬の冷気で給湯器が壊れたから暖房代をケチるためにお酒を買い込んだ結果給給油機の修理代より高くついたんでしたよね?今回こそはちょっとはマシな理由なんでしょうね?」
「あのねぇ、怒らないで聞いてくれる?」
「うん」
「友達との賭け麻雀で思いっきりスられた」
「さもしい貴方に聞いた俺が馬鹿でした。帰らせていただきます」
「あーっ!待って!見捨てないで!だってしょうがないじゃないですか貴方が来ないから収入も仕事もなくて麻雀くらいしかやることなかったんですよ〜!!」
「ええい纏わりつくな子供に金をたかるな情けない声で懇願するな鬱陶しい!ぜってーやらねぇからなっ!」

 ……俺の恩師はたしかにいい人だけど、どこかで決定的にダメ人間だと思う。

 ちなみにこの後師範は30分粘ったが、俺が手荷物から投擲したカロリーをメイトする食べ物をオトリに投げると「クマー!」って叫びながら食いついたのでその隙に逃げさせてもらった。

 あんなのが恩師な俺って………この原作主人公との差は何だ、と柄にもなく自問した水落石であった。
 
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