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SAO−銀ノ月−
第百十五話
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と向かっていた。偽の入口から入った相応のペナルティーはあるだろうが、スリーピング・ナイツの面々ならば、フロアボス前のいい肩慣らしになるだろう。

「よし! ユウキたちがフロアボス蹴散らすまで暴れてやるわ!」

「はい!」

 先程正規のルートを通ったセブンたちと、随分と前から遠回りのルートを通ったユウキたち。どちらが早いかは分からないが、もはや俺たちが出来ることは、シャムロックの増援をこれ以上通さないことだ。こちらの企みを伝えてセブンたちの進行スピードを速くしたり、スリーピング・ナイツを足止めする部隊などが組まれてしまえば、フロアボスへの挑戦は絶望的だ。

「っしゃあ! 挟み撃ちだキリ公!」

「無茶言うな!」

 向こう側にはキリトしかいないものの、とりあえずは挟み撃ちのような形となっていた。特攻隊長が如くクラインとリーファが集団に切りかかっていき、それを合図にシャムロックのメンバーの腕に矢が放たれていく――俺たちとは、まるで違う場所からだったが。

「よく当てるね……あの距離から」

「ですよねぇ……」

 特攻した二人に遅れて戦闘態勢に入った、ルクスにシリカの呆れ半分関心半分の声が耳に届く。こちらの位置が分かるユイの協力があるとはいえ、久々にもかかわらず、相変わらずのスナイパーっぷりに舌を巻く。……いや、苦笑いするとともにシャムロックのメンバーに同情する。

「シノン、間に合ってくれて助かったわねー」

「ああ」

 気がつけば自分の後ろに立っていたリズの言葉に、心の底から頷いて。帰省していたが、先日こちらに戻ってきたかのスナイパーがいる空を見ると、その姿はまるで見えない。一体どこから撃っているのか想像もつかないが、その支援は素直にありがたい。

 とはいえ、いつまでも空を眺めている訳にもいかず。後ろにいたリズの方を見ていると、準備体操が如く肩を回して、好戦的な笑みを浮かべていた。こちらのそんな視線に気づいたのか、リズは首を傾げてこちらを見つめてきた。

「どうしたの?」

「いや……リズももう突っ込んでるもんだと思ってたけど、意外だな」

「あたしを何だと思ってんの……あんたの背中、押しに来たのよ。……ほら、お呼びみたいじゃない」

 そうしてリズが俺の背中をポンと叩くと、正面にスメラギの姿があった。リズベット武具店でお求めになった巨大な野太刀を構え、刀の切れ味に等しい眼光をこちらに向けていた。

「……じゃ、頑張んなさいよ」

 そうリズは耳元で囁いて。メイスを構えてシャムロックの集団の方に向かっていき、スメラギの側面を通過していく。それをスメラギは何の意識もせずに通り過がせ、周りには俺たち二人だけとなった。

「これはお前の策か」

「まさか。俺はそんなこと考え
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