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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百四十七話 絆
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をした何処と無くナイトハルト・ミュラーと良く似た雰囲気を持つ男だ。この二人をリッテンハイム侯はかなり信頼していると聞いている。

ブラウラー大佐もガームリヒ中佐も例の襲撃事件のときはオッペンハイマー伯を屋敷に入れるのに反対したそうだ。侯の信頼が厚くなったのはそれかららしい。

「それで一体何の用かな、ブラウンシュバイク公?」
「お互い駆け引きをしている時間はなさそうだ。本音で話そうと思うがどうかな?」

ブラウンシュバイク公の答えにリッテンハイム侯の表情が僅かに険しくなった。一瞬の後溜息とともに言葉を吐き出す。
「確かに公の言うとおりだ。それで、話とは?」

ブラウンシュバイク公はゆっくりとした口調で話し始めた。
「今回の改革だが、リッテンハイム侯はどうされるつもりかな。従うか、それとも逆らうか」

「……逆らって、勝てるかな?」
本音で話そうと言いながらも、二人とも互いに相手を確かめるような口調で話し続けている。まあ、本音で話すのと相手を探るのは相反するわけではない。なんでもあけすけに話せば良いというわけでもないか。

「……我等が組めばどうかな?」
「……正直に言おう。気を悪くするかもしれんが、卿と私が組んでも勝てまい。違うかな」

二人は互いに目を逸らすことなく見詰め合った。五つ数えるほどの間の後、ブラウンシュバイク公は苦笑交じりの声で答えた。
「いや、違わんな。それで勝てるなら、とっくに卿と手を組んでいる」

ブラウンシュバイク公に釣られたかのようにリッテンハイム侯も苦笑した。視線を逸らしながら呟くように言葉を出す。心底困っているのだろう。
「厄介な事だ、どうしたものか……」

つまり暴発は出来ない、ブラウンシュバイク、リッテンハイム両家の当主が同じ認識を共有したという事か。それだけでも此処に来た価値があるというものだ。

「リッテンハイム侯、改革が始まった場合だが、どれくらいの期間、今の戦力を維持できるかな?」

ブラウンシュバイク公の言葉にリッテンハイム侯は後ろに控えるリヒャルト・ブラウラー大佐を見た。大佐は微かに頷く、それを確認してからリッテンハイム侯は口を開いた。

「持って二年半、そんなところだろう。卿の所はどうだ、ブラウンシュバイク公?」
「変わらんな。こちらも二年半が限度と見ている」
直ぐに答えが出たという事は、リッテンハイム侯も何度かシミュレートしたという事だろう。

リッテンハイム侯爵家は約二万五千隻ほどの艦隊戦力を持つ。ブラウンシュバイク公爵家は約三万隻、両家を合わせれば六万隻近い兵力を二年半維持できる。

両家ともオーディンに近く領地は比較的繁栄し安定している。そのほかにも鉱山、企業への投資、債権、不動産からの収入は巨額といって良いだろう。

決して維
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