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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十九話 第三次ティアマト会戦の始まりです。
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 帝国歴486年2月4日、ついに両軍はティアマト星域に布陣を完了し、最初の砲火を交えた。
「ファイエル!」
「ファイヤー!」
両軍の指揮官が一斉に砲撃開始の指令をそれぞれの言語で下した。


「突撃だ!!帝国軍の中央部隊を突破し、わが軍の突破口を作るぞ!!第十一艦隊こそが同盟軍の最精鋭であることを敵に教えてやれ!!」
第十一艦隊旗艦艦上でホーランド提督が吼えた。この直前ホーランドは他の提督たちから何度も自重するように指令を受けていたが、悉くそれらを無視、あるいは拒否し、自らの独断で戦場に躍り出てきたのだ。
 第十一艦隊の特徴は、ホーランド提督の下で猛訓練を積み重ねてきた高速艦隊編成である。足の弱い艦は切り捨てられ、高速艦でセットされた艦隊は、猛進してメルカッツ提督の本隊に襲い掛かった。
「後退だ。」
メルカッツ提督が淡々と指示をする。ホーランド艦隊の勢いはものすごいものであったが、この歴戦の提督は自分の陣地に犬が迷い込んだほどの動揺も感じていない。
「だが、後退しつつも敵の前衛に向けて砲火を集中させ続けよ。ワルキューレ部隊発艦。敵の前衛が通り過ぎた後の、敵の中陣をピンポイントで狙撃するのだ。撃沈を狙う必要はない。機関部を集中攻撃し、艦隊の足を止めることに専念せよ。」
落ち着いた指揮ぶりだった。OVAで見せた帝国軍の醜態ぶりは全くなく、メルカッツ提督の指揮の下、帝国軍は後退しつつホーランド艦隊に対して打撃をあたえ続け、有効な攻撃位置に近寄せなかった。

地団太踏んだホーランドだったが、突撃の意志はくじけなかった。
「小癪な!!だが、これでどうだ!!」
ホーランド艦隊の左揃えからミサイル高速艦隊が躍り出たが、これはおそすぎた。いつの間にか帝国軍右翼部隊が前進しホーランド艦隊の側面を絶妙な位置に捕えていたのである。
「全艦隊、主砲、斉射!!」
右に控えていたイルーナがすかさず指令を下した。発射しようとしたミサイル艦隊に次々と主砲が命中し、大爆発を起こした。むき出しの火薬庫に火が回ったようなものである。

「ぬぅぅ!!」
ホーランドは唸ったが、次々と爆発するミサイル艦隊は手の付けられようがないほど甚大な被害を被っていた。彼は焦っていた。諸提督の警告を再三無視して前線に躍り出たのに、敵を撃破するどころか、自軍に甚大な損害が出始めている。人間、負けが付くと、頭に血が上って冷静な判断が付かなくなることが多い。パチンコや競馬で負けが続いている状況下、なんとかそれを挽回しようと焦りまくる心境に似ているのかもしれない。特にホーランドのような猛進型の闘将であればなおさらのことである。
「こうなれば、ミサイル艦隊を切り捨て、我々だけで突入する!」
部隊を切り捨て、健全な艦隊だけで突入する。それがホーランドの下した結論だったが、いささか
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