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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百四十四話 十月十五日
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良いでしょう」

元帥の言葉に貴族達が互いに顔を見合わせる。不満は有っても反乱を起すほどの覚悟は無いということだろうか。そんな貴族達を見ながらヴァレンシュタイン元帥が嘲笑交じりに言い放った。

「正直に言えば、貴方方を説得することより叩き潰した方が後々楽なのですよ。遠慮せずに反逆してください。喜んで叩き潰して差し上げます」

挑発するかのような元帥の言葉に黒真珠の間が凍りついた。ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯をはじめ多くの貴族達が怒りに震えながらも沈黙を保っている。

貴族達の多くはこの挑発に耐えられまい。必ず暴発する、いや、これで暴発しなければさらに元帥は貴族を挑発し暴発させるに違いない。今日、この日が多くの貴族達にとって終焉の始まりになるだろう。



銀河帝国皇帝フリードリヒ四世は新たなる決意を持って帝国臣民に告げる。

帝国は今、未曾有の改革を為さんとし、予自ら臣民に先んじ、大神オーディンに誓い大いに帝国の国是を定め帝国臣民の繁栄の道を求めんとす。帝国臣民は予と共に心を一つにし帝国千年の繁栄のために努力すべし。



一、 広く会議を興し、万機宜しく公議輿論に決すべし。
二、 上下心を一にして、さかんに国家の経綸を行うべし。
三、 庶民志を遂げ人心をして倦まざらしめんことを要す。
四、 旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし。
五、 智識を広く求め、大いに帝国を振起すべし。


予、フリードリヒ四世は此処に五つの誓文を掲げ帝国の新たな指標と為し臣民とともに歩まん、臣民とともに歩まん……。



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