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第四十七話 宇宙艦隊司令長官の交代です。
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れている。そこにきての立て続けの出動である。これでは自由惑星同盟の体力が持たない。これまでは3万隻規模の艦隊戦が一般的であったが、この連戦では6万隻以上を動員している。その戦費も当然倍以上になる。
 この点ではシャロンもブラッドレーも、そしてシトレも見通しが甘かったと言わざるを得ないし、本人たちもそれを良く自覚していた。

「状況は小官も理解していますが、それで、どうしろとおっしゃるのですか?」

 と、ヤン。

「それに関しては、シャロン少将から一案が出ている」

 シャロンは少将に昇進し、統合作戦本部戦略部第一戦略科課長になっていた。ついでながら、第一戦略科は対帝国における戦略レベルの検討、大規模作戦発動の際の実施戦略案を担当し、第二戦略科は辺境警備、宇宙海賊討伐などの辺境レベルの作戦を立案する。シャロンが第一戦略科という自由惑星同盟における枢要の組織に入ったのには、当然様々なコネと彼女自身の能力があったからに他ならない。

 シトレは傍らにあった書類を指示した。2部ある。それを彼は手ずからヤンとラップに渡した。

「これから本部長閣下のところに伺うが、その前に一度見ておいてほしいと思ったのだ。それで君たちをここに呼んだ」
「よろしいのですか?私たちなどがそのような重要書類を見ても」
「書類が重要かどうかはこの際問題ではない。要はその内容が自由惑星同盟にとって体制挽回の一手となりうるかどうかが重要なのだ。そして今私は君たちに意見を求めている。そこにかけて読みたまえ」

 うなずいたヤンは失礼します、と腰をソファに降ろし、書類を読みふけった。ラップは立ったままだ。シトレに促されて、ようやく腰を下ろす。

「・・・・・・・」

 しばし無言で書類を呼んだ二人は、やがて同時に顔を上げてお互いの顔を見た。

「これは・・・」
「博打に近い案だな」

 と、言うのが二人の感想であった。

「今の同盟軍、いや、同盟全体の実情をさらけ出し、これ以上の戦争継続は不可能と大っぴらに宣伝する。そのうえで帝国と一時的な和平を求めることとなる」

 シトレが両手を組んで身を乗り出した。

「これは宇宙艦隊司令長官ラザール・ロボス大将の名前で発表する。本来であれば降格、減給であるべきところ彼が今の地位になおとどまり、その地位のまま退職予定とされているのは、そういうことだ」
「生贄ですか。どうも趣味が悪い」

 ヤンは複雑な顔をしている。

「なんとでも言いたまえ。申し訳ないがロボス閣下にはもはや艦隊を指揮する能力はない。であれば、最後まで利用できるところまで利用して、ご勇退願う。それがシャロン少将の案であり、私の欲するところだ。ロボス閣下も承知されている」

 シトレとロボスは同期であるが、シトレはなお
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