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第四十七話 宇宙艦隊司令長官の交代です。
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せたが、ロボスは頑として従わなかった。もっともこれはすぐに同盟軍部や市民の間に漏れ、苦々しく思っていたところに、今回の大敗である。世間はブラッドレー大将の先見性を認め、駆けつけて勇敢にたたかったシトレの武勲を評価する一方、ロボスの態度には冷たい目を向けた。さらにはそれが政財界にも波及し「ロボスやめろ!やめろぉ!!」コールが圧力となって軍部に押し寄せてきたのだった。
 同盟軍人事局もその意向を無視できず、ついに人事局部会を開催し、賛成多数でロボスに辞職勧告決議を下すこととなる。
 結果ロボスは大将どまりで宇宙艦隊司令長官の職を退くこととなった。とはいっても、ロボスの辞職はまだ先の事であり、その間シドニー・シトレ大将が代行を務めることとなる。

 なぜ代行なのか。

 人々は不審に思ったが、ブラッドレー大将とシトレ大将、そして政財界の一部の有識者の間ではこれは織り込み済みの話であったのだった。ロボスは一時的に休暇を与えられ、同盟軍統合作戦本部ビルから私邸に「静養」の名目で滞在することとなった。

 彼の肥満体が護衛と共に寂しそうに同盟軍本部ビルから去っていくのと同じころ合いに、シドニー・シトレ大将が宇宙艦隊副司令長官室にある人物を呼び出していた。

「ヤン准将」

 シトレは自分のデスクの前に立っている青年に声をかけた。ヤン・ウェンリーはシトレの宇宙艦隊司令長官代行に伴い、彼の作戦部幕僚参謀として統合作戦本部に入ったのである。

「ヴァンフリート星域会戦、そしてアルレスハイム星系での会戦において、わが軍は多くの艦艇と将兵を失った。これを回復させるのには数年かかる。要塞建設と増設艦隊の予算、そしてこれらの損傷に充てる費用を考えれば、貴官でも想像はつくだろう」
「私よりも、ラップの方がその辺りは詳しいでしょう」

 ヤンは隣にいる金髪白皙の青年を見た。療養生活から出てきたばかりで多少顔色はまだ白いが、緑色の瞳は健康そうな輝きを持っている。

「先に損失した艦艇は合計15000隻を越えるんだ、ヤン。丸々一個艦隊が消失した計算になる。損傷した艦艇だって、その度合いは様々だ。中には修理不能で廃棄せざるを得ない艦もある。そう言った艦をいれれば、損害はもっと出るだろう。さらにこの二度の会戦で150万人近い将兵が戦死している。これらの補充には相当時期がかかる。数年どころの話じゃない」

 ヤンは頭を掻いた。

「さらには、ここ数か月での2度の会戦における大規模艦隊の出動により、物資の大幅な減少が生じてしまった。さらにこの先帝国軍が攻め寄せてくれば、わが方としては迎撃艦隊を差し向ける余裕がない」

 第五次イゼルローン要塞攻防戦の後、ヴァンフリート星域まで大会戦がなかったとはいえ、平素要塞建設と増設艦隊の建造費用などで国力は圧迫さ
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