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男⇔女
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キンコンカンコーン。
「はい。そこまで。答案用紙回収するぞー」
先生の合図と共に一番後ろの席のやつが答案を集め始める。
「・・よし。それじゃ終了するぞー。この後、科学の課題も提出すること。解散!」
二年初めての中間テスト終了の合図と共に教室がざわめきだす。
「よっしゃぁ!終わった――?」
そして、俺もテストからの解放に雄叫びを上げていた。
「元気だなー男は」
中学からの悪友、男友がニヤニヤしながら俺の席へとやってくる。
「やっと苦渋から解放されたんだ。叫ばずにはいられないだろ」
「で?そのテストはどうだったんだよ?」
「・・いつも通りだよ」
「じゃあまた赤点だ」
「うるへー。ギリギリセーフだよ」
くそ、男友め。俺の倍くらい点数が取れてるだけでバカにしやがって。
「さて、これから遊びにでも行くか!」
テストはもう終わった。俺は過去に囚われずに生きる。
「空手部はいいのかよ?」
「今日は自由参加。明日から本気出すよ」
うちはあまり強くないから他の部活動に比べてそういうところが緩い。まあ、俺はそんなところも気に入っているが。
「悪いが俺はこの後用事があるんでね。また今度」
「あっ、おい!」
そう言い、かっこつけながら帰っていった男友。あいつ・・まさか彼女でも出来たのか?
部活に・・いいや帰るか。
「男?ちょっといいか?」
さて帰るかといったところで先生に声をかけられた。
「なんすか先生?」
「お前科学の連絡係だったよな?」
「あー。そういえばそうですね」
一度もやったことはないが。
「なら、このプリント一緒に運んでくれ」
先生が教卓の上のプリントの山を指さす。確かにあの量は一人では運べそうにないだろう
「・・先生。俺、実はこれから川に洗濯に行かないと・・」
「変なこと言ってないで運べ。俺は先に行って教室のカギ開けておくから」
そう言い残し、プリントの半分を持って先生は教室を出て行った。
完璧な言い訳のはずだったのだが・・見破られたか。
「うっ。案外重い」
半分先生に持って行ってもらっていてよかった。
バックを背負い、しぶしぶプリントを科学室まで運ぶ。
「・・ん?」
科学室に向かう途中俺と同じようにプリントを運んでいる女の子を発見する。
傍から見てもフラフラと危なっかしい。あれじゃ倒れちまうんじゃないか?
仕方ない助け・・
「きゃ?」
る前に廊下の曲がり角で女生徒と男子がぶつかった。
「・・あっ!」
そして、バランスを失くしたプリントの山が崩れかけるところを・・
「ギリギリセーフ」
女の子を両手で後ろから支え、防いだ。結果プリントの山が倒れることはなかった。が、
「・・格好つかねぇなぁ」
代わりに俺のプリントが床にばら撒かれてしまった。
「あ・・すみません!」

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