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第二部 WONDERING DESTINY
プロローグ 〜ANOTHER ONE BITE THE BURST〜
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【1】


『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
GUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO
――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!』


 咆吼。
 憎悪の叫び。
 怨嗟の唸り。
 悲愴の嘆き。
 眼前の視界全域に迸る、群青色の焼炎地獄。
 その色彩は、この世の何モノにも勝るほどに
熱く、激しく、凄絶にて、残虐。
 そして哀しいほどに鮮やかな、蒼い焔だった。 
 焔の爆心源、ソコから忌まわしき蹂躙(じゅうりん)の群青、
ソノ 『元兇(げんきょう)』 が周囲に残骸の暴風雨を捲き散らしながらゆっくりと、
本当にゆっくりとその 『巨身()』 を引き起こす。
 その姿、一言で云えば余りにも巨大な狼。
 しかしそんな陳腐な言葉ではとても尽くしきれない、
さながら北欧神話に於ける悪神の呪い子、
魔 狼(フェンリル)』 が己を封じる魔の縛鎖を引き千切り、
怒りに燃えて現実世界に這い擦り出してきたかのような凄惨極まる光景だった。
 その巨大な爪の尖端迄もが焔でカタチ創られた魔狼の前脚が、
目の前の鉄筋コンクリート製のビルを上層部からバリバリといとも容易く踏み砕く。
 同じく群青色の焔で出来たその尾が背後の幹線道路に降り堕ろされ、
強烈な破壊轟音と共に大量の残骸と土砂が一拍遅れて空間に捲き挙がる。
 そして剥き出しのその 『牙』 は、この世のありとあらゆるモノスベテを
滅ぼし尽くし蹂躙し尽くしかねないほどのドス黒く兇悪な存在感を以て、
漏れる魔狼の唸りと共にその脅嚇(きょうかく)を嫌が応にも突き付ける。
 まさに、世界の終焉(オワリ)
 絶望しか視えない、その惨状。
 ソレを遠巻きに見据える、二つの人影が在った。
 襟元から金色の鎖を垂れ下げた、
裾の長いマキシコートのような学生服に長身を包み、
プラチナメッキのプレートが嵌めれた学帽を被る勇壮な青年。
 そのすぐ脇に位置する、寂びた色彩の黒衣を小柄な躰に纏い、
灼きつくような紅蓮の髪を背に流す少女。 
 黒衣の隙間から覗くセーラー服の肩口には、
焔の形容(カタチ)を模した高 十 字 架(ハイクロス)
黄金長鎖が交叉して絡みついた紋 章(エンブレム)が刻まれている。
 そして細く可憐な指先を揃える右手には、
凛冽な光をギラつかせる剥き身の大刀が握られていた。
 目測で有に300メートル以上は離れているのに、
蒼焔の放つ熱風で意識は朦朧とし、焦熱は容赦なく二人の肌を灼く。
 そんな蒼の地獄と化した空間の中、学生服の青年が口を開いた。
「やれやれ、“あんなモン”、一体ェどーやってブッ倒すンだ?」
 周囲の惨状とは裏腹の悠然とした口調で青年は呟き
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