暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
111話:『星々(れきし)』(後編)
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互いの心を思い、支えてくれる。
 何かを失っても、大切なことに気づかせてくれる。そんな人達との出会いがあったから、俺は戦えた。


『過去にばっか目を向けてちゃダメだ。今を生きて、積み重ねることで未来ができる』


 失ったものが多くても少なくても、どれだけ大きくても小さくても。
 たとえ失望しても、挫折しても、後悔しても、怖くても。きっと大切な人との出会いが、それらを明るく照らす希望(ひかり)になってくれる。


『そしてそれは、自分自身もそう』


 相手との出会いが大切だと思えたなら、その人もたぶんそう思っている筈だ。
 自分との出会いを大切に思ってくれる、だから自分を支えてくれる。自分も相手の希望(ひかり)であり、相手も自分の希望(ひかり)である。


「えぇ…俺も、そう思います」


 支えてくれる者の大切さ、そこから与えられる力。戦い続けていたら、嫌という程実感させられる。
 だから守りたいと思う。心のそこから大切だと思えるあいつらを、そしてあいつらが生きるこの世界を。


『その為の能力(おれたち)だろ?』


 安心していい、俺達もお前を支える。お前の目指す未来を、共に進んでいこう。

 そう、俺が――――


『俺達が、お前の希望だ』


 だから進め、生きろ。望む未来(けつまつ)を目指して。
 その命を、見せつけろ!


「はい!」


 真剣(マジ)な目を見てか、彼も頷いて笑った。
 そして彼が指にはめていた指輪が一瞬光ったかと思うと、彼自身が光に変わる。

 光は赤い宝石へ。新たな炎≠得て、空は一層輝く。
 二つの星を中心に輝くそれは、未来を照らす希望≠フ星々。頭上で光るその星へと手を伸ばそう。希望をその手に収める為に。


 ―――さぁ、Show Timeだ。














「はッ!」
「ッ!?」


 鍔迫り合いをしていた剣を、円を描くように動かす。
 急に変化した動きについていけなかった男は驚くが、そんな暇を与える間もなく剣が弾かれてしまう。

 次の瞬間には剣が振るわれ、火花が散る。斜めに横、その攻撃のダメージに思わず後ずさる。
 しかしそこへ、追い討ちをかけるような回し蹴りが飛んできた。二の腕部分でうまくさばきつつ、大きく後退した。

 うまく着地し勢いのまま体を回す。そこへふわりと纏わりつく、内側が赤く外側が黒いローブ。今までとは違い複眼ではない、赤い宝石のようなマスク。

 それはまさに、絶望する人々に希望を与え、絶望から守った―――そして大切な人を失いつつも、希望を失わず戦った男の姿……


 ―――魔法使いウィザード


「諦める
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